<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日◇25日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6600ヤード・パー72>「恐れ多かったんですけど…」。ツアー通算3勝の36歳・大江香織は、今季レギュラーツアー初戦を宮城で迎えるにあたり、強力助っ人にキャディを“恐る恐る”依頼した。バッグを担いだのは、男子ツアーで通算19勝を誇り、海外でも長く活躍した谷原秀人。大江は「超支えてもらいました。ミスした時には必ず答えを教えてくれるし、絶対的な安心感がありました」と18ホールを振り返る。
今回のタッグ結成は、谷原からの“逆オファー”がきっかけになった。もともとスポンサーのつながりや自宅が近所という縁もあり、ゴルフをともにするなど親交があった2人。「春先に自分のゴルフを見てくれた谷原さんが『試合に出たら』と言ってくれて。QTも下の方(194位)だし、全然出られないんですと言ったら、『出る時は俺が担ぐよ』って」。谷原は腰椎椎間板ヘルニアのため、公傷制度を利用して今季を休養にあてている。それもあり、今大会の推薦が決まった8月頃に「今年しかない」と依頼し、実現した。先週は会場の利府で一緒に練習ラウンドを行うなど、準備段階から全力投球だ。そして、そのキャディぶりにも、大江は感激した。「一流の方は何をやってもすごいんだなと思った。本番でも『ここは行っても大丈夫』とか、すでに頭に入っていてパパッと教えてくれる。私はほとんどメモも見ずに言われた通りに打ってます」。2018年に今大会で優勝している大江が、目を丸くする。「(キャディ)デビュー戦よ」という谷原は、ラウンド後、楽しそうに笑みを浮かべる。「グリーンが難しいから、せめてこっちに外そうとか、こっちからだったらアプローチが簡単だからとか、そういう普通の話ですよ」。ツアーから離れている現在は解説者を務めるなど、コース外からゴルフを見る機会も増えている。そこに今回は、キャディとしての経験も加わった。初日は2オーバー・72位タイ。19年に第一線から退いた大江だが、24年末のQTを受け、昨年コースに復帰。ただ、現在は4歳になった長女の育児にも追われる毎日で、「トレーニングはしているけど、子供のこともあるのでなかなかラウンドする機会が…」という状況でプレーを続けている。今週もコースの託児所に子供を預けて出場。それでも「飛距離はキャリーで235ヤードくらい。当時よりも15ヤードは伸びてます」と“進化”も感じている。昨季はレギュラー1試合のほか、下部のステップ・アップ・ツアー5試合にも出場。今年もQTを受け、ママさんゴルファーとしての生活は続いていく。「今の選手と話す機会や交流も増えるので、試合に出られるように頑張りたいです」と、この試合は貴重な「学び」の機会にもなる。谷原は「TOTOにも登場しますよ。キャディとして」とニヤリとしながら次の試合も“予告”。舞台は日本で開催される唯一の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」(11月5〜8日、太平洋C美野里C/茨城)という大舞台だと明かす。「(誰を担ぐかは)想像つかないんじゃないかな。お楽しみに」。レギュラーツアー初戦とキャディ初戦の2人にとって、宮城は互いに“腕を磨く”場所になりそうだ。(文・間宮輝憲)
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