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砂川公介が師匠、妻に捧げた恩返しV「やっと勝てました」 寺西明と大切にしてきた“思考”

<Shinhan Donghae Open 最終日◇13日◇ジャック・ニクラス GC(韓国)>28歳の砂川公介が、日韓共催大会でツアー初優勝を飾った。「やっと勝てました」。その言葉を、届けたい相手がいる。それは、高校時代から指導を受けてきた師匠、シニアプロの寺西明だ。

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寺西と出会ったのは、高校1年生のとき。まだお互いにアマチュアだった。寺西は30歳でゴルフを始め、49歳でプロテストに合格してシニアデビュー。1年目の2016年に初シードを獲得すると、20年にはシニアツアー賞金王に輝いた異色の経歴を持つ。そんな寺西のショット力にほれ込み、「見てください」とお願いしたことが、師弟関係の始まりだった。その後はともにプロの道へ進み、今ではプレーヤーとして切磋琢磨している。「優勝争いしているときの気持ちとかをお互い話し合う。『こういうときは、こういうモチベーションがいいよね』とか、そういうところで一番大きいのは、“メリハリ”をつけるということ。師匠には『逃げすぎても勝てないからな』みたいなことをよく言われる。すごくためになりますね」この話に出てきた「メリハリ」こそ、砂川が今回の優勝争いで意識していた思考だ。守りに入った結果、かえってボギーにつながった経験もある。だからこそ、緊張感のある場面でも攻めるべきところでは攻める。その判断を大切にしてきた。最終日の前日には、寺西と電話で話した。そのときにかけられた言葉があった。「なんか、勝てそうな気がするわ」。師匠から見ても、砂川の状態は十分に整っていた。「師匠からの目線でも、いいショットが打てていた、と。いけそうな気がするなって思っていたって」。その見立ては、見事に的中した。師匠からの言葉も、砂川にとって大きな活力となった。そして、もう一人。砂川に大きな力を与えてくれたのが、妻の香里さんだった。最終日の前夜、優勝争いを知った香里さんは急きょ仕事の休みを取り、当日の朝一番の便で韓国へ。夫の戦いを現地で見届けた。「きのうの夜にラインでやり取りして、きょうの朝イチで行くってなって。初優勝を奥さんの前でできたっていうのは、本当にうれしい」。そう話すと、砂川は満面の笑みを浮かべた。香里さんに砂川の魅力を聞くと、「優しいし、家族のことすごく考えてくれてるなって思います。本当にゴルフが好きで、ゴルフを頑張りたいという思いが強いところが尊敬します」と明かした。夫としての一面を尋ねると、少し照れ笑いを浮かべながら、こんなエピソードを教えてくれた。「ワンちゃん(犬)を飼っているんですけど、(香里さんと犬のことを)“姫’s”(ヒメズ)と呼んでいます。(香里さんを)姫、(犬を)小姫ってお姫様扱いしてくれます」。その微笑ましいエピソードに、報道陣からも自然と笑みがこぼれた。師匠と積み重ねてきたゴルフへの思考。妻が支えてくれた日々。そして、何より大切にしてきた「ゴルフを楽しむ」という気持ち。そのすべてを力に変えて、砂川はついに初優勝をつかんだ。師匠へ届けた待望の一勝。そして、愛する妻の前で掲げた初めての優勝カップ。この一勝は、砂川にとってかけがえのない“恩返し”になった。(文・高木彩音)

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