<ゴルフ5レディス 最終日◇6日◇ゴルフ5カントリーみずなみコース(岐阜県)◇6531ヤード・パー72>プロ2年目の福田萌維が、プロデビューから25試合目で歓喜のゴールに飛び込んだ。「少しずつ、一歩ずつ」と話していたゴルフ人生の設計図。その禁を破る鮮やかな初優勝だった。
2日目に初体験の首位に立ち、初めての最終日最終組、そして、3ホールに及んだレギュラーツアーでは初のプレーオフ。“初めて”がぎゅっと詰まった3日間。18番で行われたプレーオフに決着をつける5メートルのバーディパットを沈めた20歳に、安どと喜びの笑顔があふれた。「こんなに早く勝てるなんて思っていなかった。狙ってはいたけど、まさか勝てるなんて。びっくり。まだ信じられない気持ちです。欲は出さないようにしていたけど、そろそろ決めたいなぁって気持ちはありました。最後は『あっ!入った』って感じでした」3日間のパーオン率はフィールド4位の85.2%(46/54)。得意のショットを武器に、2打リードで出た最終日も足取りは軽かった。伸ばし合いのバーディ合戦。後続の猛追をものともせず、5番からの3連続など前半だけで5バーディを奪い、影も踏ませなかった。だが、2打リードをキープして迎えた17番で試練が訪れた。ティショットが左のレッドペナルティエリアに飛び込み、痛恨のダブルボギー。勝負は木戸愛との延長戦にもつれ込んだ。「17番のミスは少し焦ったけど、そんなにうまくいくとは思っていませんでした。今週は完璧な状態ではなかったので、17番は練習が足りていない部分が出たと思って、落ち込むことはなかった。まだ足りないんだって。割り切ることはできました」所属先が主催だった前週の「ニトリレディス」は「何もできなかった」と予選落ち。今週は準備にいつも以上に時間を割いた。3日間大会では火曜日と水曜日に9ホールずつを回るのがルーティンだった練習ラウンドを、2日間とも初めて18ホール回った。「自信をつけるには数をこなさないといけない。コースを回って、ミスが出る原因が分かっていれば、試合でも立ち直ることができるので」。備えあれば憂いなし。ミスが出ることも想定し、ラフからのショット、傷を最小限にするためのパッティング練習の時間も増やした。昨季は下部ステップ・アップ・ツアー「サロンパスレディス」で、最終日を単独首位で迎えた。だが、2打リードで迎えた最終18番パー5で2打目を池に落として首位に並ばれ、プレーオフで敗れた。「自分の弱さを知った」という学びの場となった敗戦。今回は心の準備も万全だったから、優勝争いの最終盤に喫したダブルボギーにも心は波立たなかった。「なるべく早く海外に行きたい。準備に時間もかかると思うので、少しでも早く行って、経験を積みたいんです」頭の中には近い将来の米ツアー参戦がある。参加するだけではなく、勝つことに意義がある挑戦。そのために必要なことは「たくさんの苦労です」と即答した。周りから見れば苦しんだ末の初優勝も、まだ序章。「全然足りないです。苦労や怖さを私はまだ知らない。技術も足りない。きょうみたいな緊張する場面をもっと経験し、もっと失敗しないと。勝てないのであれば海外には行かない。自分で『イケる』という自信が持てるようになったら行きたいです」。『若いころの苦労は買ってでもしろ』を地でいく福田の哲学。その心意気やよし。ツアー未勝利県だった和歌山から、無限の可能性を秘めた新ヒロインが誕生した。(文・臼杵孝志)
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