<CAT Ladies 2日目◇22日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6657ヤード・パー72>最終18番パー5。3メートル弱のバーディパットを決めると、佐久間朱莉は力強いガッツポーズを繰り出した。「昨日は外していたので、きょうは入れたいという気持ちで打ちました」。まさに気合の一打。これでトータル9アンダーまで伸ばし、吉田鈴と並ぶトップで最終日を迎えることができた。
チャンスもあっただけに「もうちょっと決めたい」という気持ちも出るが、要所を締めたところは納得の表情を浮かべる。前日に続き1番パー5でバーディを奪えたのも、「流れに乗れた」という要因になった。初日のラウンド後に「ここ1カ月ほど悩んでいた」と話していたパッティングについては、「まだしっくりきていない」部分もあるという。それでも「エラーは起こる時があるけど、ミスの傾向は少なくなっている」と2日間平均のパット数は27.5。高速グリーンを相手にまずまずの成績を残している。「AIG女子オープン」、そして帰国直後の「北海道meijiカップ」では予選落ちを喫したが、そこでもグリーン上で苦しんだ。今は「いろいろ考えることをやめて、リズムだけを意識しています」と考えをシンプルにしている。すると先週の「NEC軽井沢72ゴルフ」は7位でフィニッシュ。そして今週は優勝争いにも顔を出し、「自信」を取り戻しつつある。このグリーン上でリズムを取り戻すための練習が独特だ。“お手製”の器具が活躍する。パターのシャフトに取り付けられる器具は、糸の先にネジなどにかませる薄い輪っか状の金具「ワッシャー」が揺れているもの。佐久間は「“5円玉”をつけてブラブラするやつ」と表現するが、確かにその表現がピッタリだ。この器具は、パッティングの動作中に動きを止めないことを目的に、佐久間のトレーナーを務める藤山和也氏が考案し、パターコーチの平田智氏が製作した、まさに特注品。リズムよく振れた時には糸にぶら下がったワッシャーがキレイに振り子のような動きになるが、テンポが狂うと糸がたわむ。そしてそれを目視することができるというのが、大事なポイントになる。規則正しいリズムで打つためのパッティング練習として、メトロノームなど音の出る器具を使用することも多いが、佐久間曰く「緊張した時に、耳だと(動きが)速くなってしまう。目で覚えられるようにと作ってくれました」と、その違いを説明する。リズムと糸の動きが連動し、それを体に染み込ませている。こうして徐々に自信を取り戻し、今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」以来となる今季2勝目に近づいた。最終日最終組入りは今季3度目で、実に3月の「Vポイント×SMBCレディス」以来、5カ月ぶりとなる。首位で最終日を迎えるのも、その試合が最後だった。「緊張する場面も出てくると思うんですけど、自分のプレーに集中して、一日頑張りたい」。現在、佐久間のメルセデス・ランキングは4位。同1位に立つ桑木志帆も2打差の7位につけている。リズムの狂わぬパッティングを続け、着実にその差を埋めていきたい。(文・間宮輝憲)
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