青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、好調な選手や注目選手の強さのヒミツを解説、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回は猛暑が続く夏のゴルフで賢いマネジメントを聞いた。
◇ 夏場のゴルフ場は天候の関係でグリーンが軟らかく、重くなるのは仕方のないこと。芝が元気になってラフが伸びる季節でもある。女子プロたちがどんな工夫をしているのか、アマチュアはどんな対策が必要か大西コーチに教えてもらった。 「夏場の重いグリーンはアマチュアのみなさまも毎年経験していると思います。カップまで届かない。届かせようと思うと逆に大オーバーなんてことはないでしょうか。それは普段と違うストロークや感覚で打とうとしているからです。出球の管理が難しくなりカップインの確率が下がってしまいます」。届かそうとするとストロークにエラーが出てミスにつながる。タッチが合わない人は普段の自分の感覚と違うストロークで打っているという。 最近の女子プロの多くはパターを見直す。「転がりをよくするためにヘッド重量の重いパターに替えたり、鉛を貼ったり。また重いグリーンは芝が長くボールが沈みやすいので、同じヘッドでもロフトの寝たモデルを使用する選手もいます。普段ロフト角3度を使っている場合、3.5度とか4度とか。選手たちもストロークの感覚を変えたくないので、まず道具から替えて、感覚を変えずにタッチの合うパターを投入します」。選手の中には重いグリーン用を普段から持ち歩いている選手も少なくない。 アマチュアもグリーンによってパターを替える選択肢があってもいいが、なかなか道具を複数持つのは難しい。「同じ道具でもアドレスからフィニッシュまで常に腹筋に力を入れるだけでもOKです。ボールを押せるようになり、重いボールを打てるようになるので、プラスアルファの転がりがあって、カップに届くようになります」。腹筋に力を入れるだけなら、簡単にできそうなのでタッチが合わないと感じたら試してみるといいだろう。 重いグリーンでアプローチをする際には番手選びの工夫も大事。「特に上りだと全く転がらないことがあります。普段、花道からサンドウェッジで転がしている方は50度とかピッチングウェッジとかロフトの立ったものを使用すると普段と同じ感覚でもイメージ通りに転がります」と夏場用のクラブ選びでゴルフも楽になる。 また、ラフが元気になるためスコアメイクにはティショットが重要になる。「夏場はフェアウェイとラフでは雲泥の差です。『なんとなくフェアウェイを狙う』というだけでなく、フェアウェイを左、センター、右と3分割して、狙いを絞る意識を持つだけでも精度アップにつながります。“だいたい”で狙うと曲がるんです。ターゲットを狭くする気持ちを持つことで曲がり幅が減ります。この成功体験が増えれば、夏場が過ぎてもショットに自信を持つこともできます」。青木瀬令奈は、ゼブラカットのフェアウェイの「左から4本目の順目」と超ピンポイントで狙っているという。 狙う気持ちをより強くするために、ティアップしたらボールの後ろに立ってターゲットをしっかりと決めて、そこに対して真っすぐ構えることから始めよう。 そして、体力消耗が激しくなる夏は、勝負の上がり3ホールで体力切れなんてこともある。体力を温存するためのオススメもある。ゴルフ中継を見ているとほぼ全選手が日傘を差している。「日傘を差すだけでも体力消耗はかなり違います。差せる状況なら積極的に使ってほしいです。それからオススメは氷のうです。首とか頭を冷やしますが、手に持っているだけでも全然疲労度合いが変わります。ぜひ試してください」。暑い夏でも快適にプレーするコツを試してみましょう。 ■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中)。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。
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