<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 3日目◇11日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6700ヤード・パー72>ピン手前に着弾し、ワンバウンドしたボールは吸い込まれるようにカップに消えた。10番パー4。7番アイアンを手にした右ラフからの残り152ヤードの2打目だった。両手をあげてバンザイ! 永井花奈の快進撃は喜びを全身で表した完璧なショットから始まった。
【写真】のぞき見! 好調・永井花奈のウェッジの削りは”丸派”
「イメージ通りでした。めちゃくちゃいいショットが打てた。そこまでボールは沈んでいなくて問題なく打てたので、寄るだろうなぁと。入ったのは見えました」 連日の雨でたっぷり水分を含んだ洋芝のラフだったが、さほど深くなかったのも幸いした。今季3個目のイーグル。これで勢いづいた。パー5が続く11、12番は3打目をピンに絡め、13番は3メートル、14番は10メートルをねじ込んだ。この時点でトータル16アンダー。スタート前に7打差もあった仲宗根澄香を捉え、首位に並んだ。 「スタートするときは2日かけて追いつければいいと思っていた。2日で20アンダーに乗せれば、そこが追いつけるポイントかなと。7打差あったけど、簡単に負けてたまるか、という気持ちでした」 前週の「資生堂・JAJレディス」はプレーオフで敗れた。7人によるV決定戦。ツアー史上最多の大混戦を演出したのが永井だった。最終日は最終組で回り、1打リードで最終18番を迎えた。パーをセーブすれば2017年「樋口久子 三菱電機レディス」以来となる通算2勝目だったが、ティショットを大きく右に曲げて、3オン2パットのボギー。プレーオフでのV逸に呆然とするしかなかった。 「あの日はずっとティショットがつかまらなかった。緊張していたのかな…。悔しかったですね。家に帰って、その日のうちにネット配信を最初から最後まで全部、見返しました。スコアだけで考えたらすごく悔しいけど、スイングを見たらダメなのが納得できました。自分のスイングが好きじゃないから、普段は動画とかもあまり撮ったりしないけど、次はそうならないようにしないといけない。直そうと思ったんです」 今まで避けていたことと、しっかり正面から向き合った。その結果が2023年の「伊藤園レディス」第2ラウンドでマークした自己ベストに並ぶ「63」。先にホールアウトしていた全美貞(韓国)が塗り替えたばかりのトーナメントコースレコードを1打更新する猛チャージで、はるか先にいた仲宗根の影を踏み、最後は単独首位に立った。 「こんなに早く次がくるとは思ってもいなかった。明日は失敗を恐れずにやりたい。だから、まず20アンダーに乗せること。同じことはしたくないから、最後は2打必要かな」 1週間前と同じ失敗を決して想定しているわけではないが、理想は2打のリードを持って最終ホールのティイングエリアに立つこと。今季は前週まで2位が3度もある。届きそうで、届かない2勝目。その時間が長ければ長いほど、気持ちが揺れ動くのは仕方ない。「ですよね。明日も絶対緊張すると思う。だから、最後は2打必要なんです」。そんなことを笑いながら言えるようになった。これまでとはちょっと違う雰囲気は“シルバーコレクター”を返上するサインかもしれない。 逃げ切りに成功すれば、ツアー史上6番目のブランクとなる8年256日ぶりの優勝。同じ轍は踏まない(文・臼杵孝志)
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