国内に1700店舗以上のドラッグストア・コスモスを展開するコスモス薬品が主催となり、国内男子ツアーの新規大会「ドラッグストア・コスモスカップ」(10月1〜4日、静岡県・グランフィールズカントリークラブ)開催の記者発表が7日に行われた。賞金総額1億5000万円(優勝賞金3000万円)で、今季の試合数は23となった。記者会見では、ツアー通算5勝で選手会副会長も務める堀川未来夢の“お願い”から始まったと説明があったが、その裏側を聞いた。
賞金総額は1億5000万円、優勝賞金は3000万円。今季ツアーは23試合となった。7日に行われた記者発表会では、大会誕生のきっかけは通算5勝で選手会副会長を務める堀川未来夢の“お願い”から始まったと説明があったが、その裏側を聞いた。コスモス薬品の横山英昭代表取締役社長は、開催の経緯をこう明かした。「堀川プロから、『男子プロゴルフ界は試合数が少なくなり、大変苦しい状況にある。なんとか1試合、コスモス薬品でやってもらえないか』と相談されたのがきっかけです。男子ツアーは全体の賞金総額が下がり、年間20試合程度。シード選手でも収支が赤字になるプロもいる状況で、『助けてほしい』とお願いされた次第です」。発端は5月の「中日クラウンズ」だった。堀川が通算5勝目を挙げ、横山社長が「優勝のお祝いをしないとね」と声をかけると、「お祝いするんだったら、コスモス薬品さんで1試合どうですか?」と大会開催の提案を受けたという。堀川は信頼関係のある横山社長に思い切って伝えたという。「試合をやっていただけそうな雰囲気もありましたし、お願いしました。言ってみるもんだなって感じです(笑)。言わなければない話で、言って、何か引っかかれば。でも来年度の話かと思ったんですが…」。もともと同社は複数の大会で協賛を務めるなど男子ツアーを応援してきた。旧知の仲である堀川のお願いとあって、手を差し伸べる形で、新規大会、それも今シーズン中の開催が決まった。同社は「どうせやるなら」と来年ではなく今シーズン中の開催を提案。5月中旬から動き出し、空き週や会場の候補など複数のプランを準備した。会場となるグランフィールズカントリークラブは、2022年に「日本プロ」を開催しており、チャンピオンコースとしての風格もある。同コースには開催まで4カ月を切った6月上旬に打診を受けた。同週は予約が入っていたが、それを調整して準備が整った。倉本昌弘JGTO副会長は「本当にさまざまな奇跡が重なった」と開催を喜んだ。今年の国内男子ツアーは開幕時点で昨季より3試合減の22試合。試合数の減少とともに賞金総額も右肩下がり。今季は約30億円でスタートした。長年男子ツアーを応援している同社は、男子プロの苦しい状況も理解している。男子ゴルフ界の厳しい現状を訴えた堀川に、実状と狙いを聞いた。「ツアーを転戦すると年間で1000万円以上の経費がかかります。僕がデビューした2015年頃は、シード選手の最下位でも1600万円くらいですが、今は1000万円ほど。1年の経費、キャディフィー等を考えたら、スポンサーがいないとシード選手でも赤字ですよ」。15年は賞金ランキング上位60名までがシード選手。義務試合数不足の選手を除くシード最下位の62位は約1576万円。賞金ランキング上位65名までとなった24年は約974万円、25年は約1040万円だった。「10年前に1泊6000円だったホテルが、今年は1万2000〜3000円しました。ガソリン代も上がっていますし…」。10年前と比べて賞金は下がり、物価高で経費は増えているとも。「僕の目標は、年間30試合前後で、優勝賞金は平均で3000万円。シード選手は最低でも2000万円ぐらいは稼がないと。そうなったらジュニアも夢を持てますよね。僕たちはプロゴルファーを目指したいと思う環境を作ることが一番大事なんじゃないかなと思っています。経費のかからないシステムの構築もしたいですね」開催が決まったことは喜んだが、「これで終わりじゃないです。ここからスタートです」と語気を強める。「第1回大会をみんなで盛り上げて大成功することによって、まだまだ試合数が増えるんじゃないかと思っています」。コスモス薬品は取引先も多く、大成功を収めれば今回募る協賛社とは別の協賛社にも声をかけ、年間2試合、3試合にという構想すら持っているという。「男子ツアーって本当に面白くて、来てくれたギャラリーさんは必ず満足してくれます。本当に男子ツアーは面白いんです」。堀川のそんな思いに賛同したコスモス薬品。五輪種目でもある男子ゴルフを応援し、自社の認知度アップも目的のひとつだが、男子ゴルフ界に手を差し伸べた大会の成功を期待したい。(文・小高拓)
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