<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇10日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6619ヤード・パー72>ツアー通算13勝。2020−21年シーズンの賞金女王で、21年には東京五輪で銀メダルも手にした稲見萌寧は、今、必死に“再生”への道を歩んでいる。
【写真】銀メダリストも好感触 これがUSTマミヤの未発表モデル
今大会でも開幕2日前には18ホールの練習ラウンドを敢行。さらにラウンド前後には打撃練習場で黙々とボールを打ち込むなど調整を続けた。現在の課題は、「(ダウンスイングで体重が)左に乗らなくなっているので、乗せる練習をしています。突っ込んでもいいから、乗せるという感覚。細かいところを…というよりも、とりあえずやってみるという感じです」。ここまで11試合に出場しながら、決勝進出は3試合。その打破のため、試行錯誤を続ける。 練習場では新たなシャフトをテストする姿も見かけた。その様子を見つめていたのはUSTマミヤのツアー担当者たちだったが、手に握られているものは、これまでに見たことがない1本だった。『ATTAS RX PURE』の文字が刻まれた未発表モデル。その感触を、何度も何度も確かめる。 現在、稲見が使用しているのは、18年にUSTマミヤが発売した『The ATTAS』。「それがずっといいので替える必要がないから替えてこなかった」という、お気に入りモデルだ。The ATTASといえば、中調子の名作とも言われる逸品。『それに似ているよ』と言われ手渡されたシャフトは、「(エースと)近いものを感じました」と言う。 実際に稲見が感じ取ったのは、いい意味での“クセのなさ”だった。「私は、独特な感じがなく、暴れないし、しなりすぎることがないシャフトが好き。どこがゆるいとか硬いとかがないようなもの。(新作は)The ATTASよりは少し動く感じはあるけど、嫌な動きではないので好印象ですね」。さらには、「今のよりも少し飛ぶし、打感の食いつきもいいので、そこが好き」とも絶賛。それでも変更するタイミングは、「自分のスイングや調子が安定していればすぐに替えられるけど…」という“ただし書き”もつく。 「今は自分のゴルフをいろいろ試しているので、(シャフトを)替えてしまうと、何が変わったのかが分からなくなる」という思いが、そこにはある。道具のアップデートは、求めているスイングを確立してから、というわけだ。そして、それが実現した時には…。いわば、今回のテストも先を見据えるうえでの準備の一環とも言える。 この“未発表モデル”については、テストを行った他の選手たちも軒並み高評価だった。「スイングを変えることなく、(ヘッドが)走ってくれる。数字的に初速も上がっているし、しっかり変化もあっていいシャフトだと思った。カウンターバランスは(現在使用するモデルと)少し違うらしいけど、違和感もない」と話したのは、現在『ATTAS RX ウルトラブラック』を使用している永井花奈。プロ2年目の神谷桃歌は、「球がねじれる感じがない。多少、右左に出てもそこから曲がっていかないので、狙いも定まりやすい」と即投入を明言したほどだ。 現在、ゆっくり目のスイングスピードを意識している稲見は、これまで5Xと硬めで、さらに0.75インチのチップカットを施したハードなものを使用してきたが、現在は「適性」という5Sで少しチップカットしたものに変更。シャフトの工夫も見てとれるだけに、新たなシャフトにも興味はあるが、今はその気持ちを封印し、やるべきことに向き合っている。 「夏には少しずついいところ(順位)にはいたい。それを目標にやっています」。梅雨を過ぎれば、日本列島の気温も今以上にグングン上昇していく。これに比例するように、元女王の状態も上昇していけば、ツアーのさらなる活性化にもつながるはずだ。(文・間宮輝憲)
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