このエントリーをはてなブックマークに追加

“優利の妹”から“吉田鈴”へ「姉のコピーではなく、自分のブランドを」 長年抱えてきた葛藤から脱却へ

<ヨネックスレディス 最終日◇7日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6483ヤード・パー72> 初日から首位を走ってきた吉田鈴が「71」とスコアを伸ばし、トータル8アンダーでツアー初優勝を飾った。4度目の受験で合格とプロテストには時間がかかったが、そこから2年でツアー優勝者の仲間入り。姉の優利はツアー4勝を挙げており、史上4組目の姉妹Vとなった。

【写真】優勝副賞はスポーティな走りが魅力なこのクルマ

1打リードで迎えた18番パー5。吉田は残り84ヤードの3打目を1メートルにつけて優勝を決定づけた。バーディパットを沈めると笑顔でキャディとハイタッチ。続けて両手を上げて歓声に応えた。「いろんなことがこみあげてくるのかと思っていたんですけど、意外と冷静でしたね。最後まで気を抜けない展開でやり切ったという気持ちが大きかったです」。念願の初優勝にも涙はなかった。 どんな兄弟、姉妹にも多かれ少なかれあることかもしれないが、姉と比較されることには幼いころから複雑な思いがあった。「姉は早くからナショナルチームに入って、日本女子アマや日本ジュニアで優勝したエリートコース。周りから“お姉ちゃんはこう打ってたよ”と言われることがあって、それ自体あまりいいこととは思っていませんでした」。サポートを受けるクラブメーカーも進学先も常に姉とは違う選択をしてきた。 「比べられるのは仕方がない」としつつも「姉と同じ体ではないのに同じスイングをするのは違うと思うし、それでは背中しか追えないと思っていました。姉のコピーではなく、自分のブランドを確立することが大事だと思っています」。優勝会見では長年抱えていたであろう思いを打ち明けた。 1打差の2位に終わった2週前の「ブリヂストンレディス」など、今季は何度も優勝争いを演じてきた。「(4月末の)ドコモビジネスレディスでパターを替えてから一気に変わったと思っています。今季は全体的にレベルが上がっていると思うし、スコアの作り方が分かってきました」。着実に階段を上がってつかんだ優勝だけに言葉からは自信が伝わってきた。 今後の目標を問われると「何歳までに海外メジャーに行きたいとか、そういうのはいくつかあるんですけど、自分にプレッシャーがかかってくるから周りには言わないようにしています。それに向けて逆算して、今年はここまで体をどうしてとか、トラックマンの数字をこうしなきゃいけないということは考えながらやっています」。初優勝は通過点。吉田鈴というブランドを確立すべく、次の目標、さらにはその先の大きな目標に向かって走り続ける。(文・田中宏治)

<ゴルフ情報ALBA Net>

【関連記事】