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地元Vを呼び込んだ東風と10分の休憩 永峰咲希が申ジエに競り勝ち「想定外」

<アクサレディス 最終日◇29日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6539ヤード・パー72>宮崎県出身の永峰咲希が、地元で逆転優勝を果たした。首位と2打差の5位から出て、1イーグル・6バーディ・2ボギーの「66」。圧巻の4連続バーディで締めくくり、昨年7月の「資生堂・JALレディス」以来となる通算4勝目を挙げた。

【写真】涙を流しながら戦いを見守る大山志保

最終組のひとつ前、申ジエ(韓国)と同組でプレーした。前半は伸ばしあぐねたが、10番パー5で残り218ヤードから2オンに成功してイーグルを奪うと、「まだチャンスがあるかも」。ギアを入れた。15番で1メートルを沈めてバーディ。これがラッシュの号砲だ。16番グリーンで永久シードに王手がかかるジエが単独首位に立ち、自分との一騎打ち状態になっていることを知った。「ジエさんだけが敵」。さらに勢いを加速させた。その16番で5メートルを決めて並ぶと、17番で2打目を80センチにつけて逆転。そして最終18番、7メートルのうすいフックラインを真ん中から沈めて大歓声に包まれた。「ジエさんの方が近くて同じライン。私が外したらジエさんに入れられてプレーオフになる」。重圧のなかで先に決めたウイニングパット。「半分過ぎたあたりから“これ入った”と確信しました」。ガッツポーズをしようかと一瞬考えたのち、右手を突き上げた。会場のUMKカントリークラブは母校・宮崎日大高から車で5分。高校時代に「2日に1回」は回っていた隅々まで知り尽くすホームコースだが、これまでの出場11回のうち最高11位(2017年)、予選落ち4回。28ラウンドで60台は1度きりだった。そんな「苦手意識」があるなか、2日目に「67」、最終日はベストスコア更新の「66」をマーク。後半「30」という圧巻のプレーをみせたが、「アテストで気づきました」と笑った。いつもは北〜西風が吹くが、温暖な天候に恵まれた今週は東からの風になった。それが永峰の追い風になった。例えば12番。例年であればアゲンストの風で2打目がユーティリティになりがちだが、ティが前に出ていてフォローの風だったこの日はピッチングウェッジを握った。精度を高めたフェードボールでピン手前5メートルに乗せて、バーディを奪取。「アゲンストだとけっこう狭く感じるし距離も残る。きょうはコブのてっぺんみたいなピン位置に対して、一番(バーディを)狙っていけるラインについた」。11番をボギーとした直後のバウンスバックで、4連続バーディにつなげたシーンでもあった。最終18番ではジエと競技委員の処置の話し合いに10分ほど時間を要し、「長い休憩」ができた。先に打とうかと一瞬よぎったが、「ジエさんのショットで私の狙いが変わる。打つべきじゃない」と判断。そのあいだ、緊張していた気持ちが徐々に冷静になっていった。「苦手なUMKで勝てたこと、ジエさんに競り勝ったことがうれしい」。宮崎でつかんだ念願の一勝だった。4月28日で31歳になる。「いつもはギャラリーをもっとハラハラさせているけれど、“うまくなった”と言ってもらえてうれしかった。まさかこんな早く、しかも地元で。想定外です。こういう勝ち方ができるようになりました」。初めての年間複数回優勝、そして2022年「日本女子プロ選手権」に続く国内メジャー制覇を目標に掲げ、プロ13年目のシーズンを進んでいく。(文・笠井あかり)

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