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2026年PGAツアー 米欧勢、日本勢への期待【舩越園子コラム】

PGAツアーの2026年シーズンは、どんな展開になるのか。米欧メディアの大方の予想では、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)が依然として圧倒的な強さを見せつける1年になると見られている。

〈写真〉タテからヨコに  松山英樹のスイング変化

そう言われると、昨年4月に悲願のマスターズ初優勝を挙げ、キャリアグランドスラムを達成した世界ランキング2位のローリー・マキロイ(北アイルランド)だって、今なお絶好調なのではないかと思われるかもしれない。その通り、悲願を成就させ、自信も喜びも倍増させたマキロイは、キャリアにおいても人生においても、今が最も充実していると言えそうである。しかし、マキロイは「これから達成することは、すべてボーナス」「これからは行きたい場所、出たい大会に出る」と宣言しており、2026年シーズンはPGAツアーにおける出場試合数をかなり減らすつもりであることも明かしている。そのため、もはや戦績に対して貪欲さを見せてはいないマキロイは、2026年シーズンに最強選手となりそうな予想の対象からは、とりあえず外されている様子で、大活躍するのは「やっぱりシェフラー」と見られている。そして、今年のシェフラーには、昨年のマキロイに続く史上7人目のキャリアグランドスラム達成への期待が寄せられている。2022年と2024年にマスターズを制し、昨年は全米プロと全英オープンで勝利したシェフラーは、残る全米オープンで優勝すれば、キャリアグランドスラム達成となる。シェフラーのみならず、フィル・ミケルソン(米国)も、全米オープンで優勝すれば、キャリアグランドスラム達成となる。さらに言えば、ジョーダン・スピース(米国)も全米プロを制すれば、キャリアグランドスラム達成となる。だが、近年の調子や戦績、年齢などを考慮すると、この偉業を2026年に達成することを現実的に期待されるのは、「やっぱりシェフラー」と見られている。今年の全米オープンの舞台は、全米屈指の難コース、シネコックヒルズだ。2年連続で快挙が成し遂げられる可能性があること自体、稀有なケースであり、驚きでもあるが、その瞬間を是非とも見たいと私も思う。一方、日本のゴルフファンの関心と期待は、今季のPGAツアーに勢揃いする日本勢に向けられている。松山英樹を筆頭に、フルシード権を死守した久常涼と金谷拓実、コーンフェリーツアーからPGAツアーへ昇格した平田憲聖、DPワールドツアー経由でPGAツアーカードを獲得した中島啓太の5名だ。5名もの日本人選手が揃うことは、仲間意識が感じられるという意味では大いにプラス要素だが、2026年シーズンはきわめて厳しいサバイバル合戦になると予想されている。少数精鋭化を推進し始めているPGAツアーは、すでにシード選手の人数を従来の125名から100名に激減させたが、2026年からは1試合の出場人数も絞り込まれ、従来の156名だった大会は144名に、144名の大会は132名に減らされる。ルーキー選手やランキング下位選手にとっては、出場するだけでも、これまで以上に大変という状況になる。そして、2027年からは、年間試合数が大幅減となり、年間スケジュールも激変することが、噂されている。それが現実になるとすれば、今季の途上でさまざまな変更が発表されては即実施となる可能性がある。少数精鋭化がさらに進められ、シード選手の人数がさらに減らされる可能性も無いとは限らず、緊張感は高まるばかりだ。せっかく日本勢が5名も揃ったシーズンが、そうしたPGAツアーの激動期と重なってしまったこのタイミングは、運命の巡り合わせだと思うしかない。だが、こんな見方もできる。少数精鋭化を進めるPGAツアーは、今後、PGAツアーにつながるパスウェイ(道)も縮小していく可能性を米メディアは指摘しているのだが、そうなるとすれば、久常も金谷も平田も中島も、近年、そうしたパスウェイをフル活用してPGAツアー出場資格を手に入れたラッキーでスマートな選手たちと見ることができる。もう少し時間を遡れば、松山も彼の大学時代にぴったり合わせるようにアジア・アマチュア選手権(現・アジア・パシフィック・アマチュア選手権)が創設されたおかげで、2度もマスターズにアマチュアとして出場することができ、それが世界へ挑戦するための最初の一歩、そして二歩になった。チャンスの扉に通じる道は、往々にして、誰かのおかげ、何かのおかげで歩むことができる。シェフラーやマキロイも、然りである。大切なのは、チャンスの扉を開いたその先で、熾烈なサバイバルゲームに勝ち残ることができるかどうかだ。2026年は、シェフラーらのキャリアグランドスラム達成に期待する一方で、5名の日本勢全員が来季へ勝ち残ることを願いつつ、PGAツアーを眺めたい。文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

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