<JGTOファイナルQT 最終日◇12日◇千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉県)◇7319ヤード・パー72>今季賞金ランキング99位で賞金シードを逃したツアー通算3勝の37歳・片岡大育が、来季出場権をかけた戦いで1位に輝いた。その資格で、来年のフルシード権を獲得。「最高です…」と安どの表情を浮かべた。
初日は「73」で出遅れたが、2日目に「67」、3日目に「65」とスコアを大きく伸ばし、首位と7打差の2位で最終日を迎えた。気温も低く、さらに風は強い難コンディションだったが、3日間連続となるボギーフリー(3バーディ)で「69」をマーク。中野麟太朗(早大4年)とトータル14アンダーで首位に並んだ。プレーオフでは3ホール目に13ヤードからチップインバーディを決めて、トップの座をつかんだ。「神がかっているような、本当にいいプレーがこの3日間はできました。調子は良かったので自信はあったんですけど、7打差あったので、最低でも5位以内に入りたかった。本当に1位を取れるなんて全く思っていなかった。いつも通り一つひとついいショットを打って、1ホールずつ対応する。丁寧にやることを心がけました」今年はショットの調子は良かったものの、「いまいち」なパッティングに頭を抱えていた。そこで11月の「カシオワールドオープン」最終日に、2015年の「関西オープン」で初優勝したときに使用していたオデッセイの『ホワイト ホット 2ボール パター オリジナルスチール』に変更した。サードQTで手応えを得て、今大会でも使用し好結果につながった。「大事なところで(パットを)入れられた。狙ったところに出ていることが確認できながら進んでこれたので、最後は自信を持てました」と笑顔を見せる。今年は初優勝が11人誕生するなど、近年は若手の台頭が目立ってきている。平均飛距離が300ヤードを超える選手も増えてきているが、そのなかで自分を奮い立たせている。そんな気持ちにさせてくれているのは、11季連続シード権を保持し、ツアー通算5勝を誇る稲森佑貴の存在だ。「若手のすごさには本当に脱帽ですけど、稲森は同じくらいの飛距離で、あの位置で戦ってくれている。勇気をもらえます。僕も『このティショットを曲げなければチャンスはあるな』という自信がどこかにあって、それを2、3年前から強く思っていました。稲森が頑張ってくれているので、『この飛距離でも、いいショットが打てていれば絶対に勝機はある』と思っています」稲森は平均飛距離262.20ヤード(102位)、片岡も261.88ヤード(103位)と、ツアーでは非力と言わざるをえない。ただ、稲森は今年こそ2位だったが、昨年まで9季連続でフェアウェイキープ率1位に君臨した。“飛ばなくても勝てる”と思わせてくれる心強い存在だ。「正直、飛距離が出ないのは本当に苦しいんです。だけど、パターをしっかり決めることができれば、まだまだチャンスはある。これから先の5年、10年を見据えると、さらに飛距離の時代になるのかなと心配になる部分はあります。ただ、飛距離アップはテーマの一つとして追いつつも、自分のゴルフをしっかり確立するというところだけは負けたくないと思っています」来シーズンに向けて、このオフは「いい状態をつかめたので、このフィーリングも大事にしながら、大きく崩さないようにしていきたい。飛距離アップも少しずつ目指して」と体づくりも含め、調整に励む。目標は「まずは、シード権が第1にある。シードがないと何も語れない過酷な状況ではあるので。絶対にシードを取り戻すというのと、優勝ももちろん目指してやりたいです」と意気込みを示した。2018年以来となるフル参戦の切符。37歳の挑戦が再び始まる。(文・高木彩音)
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