<日本オープン 最終日◇19日◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7238ヤード・パー70>15回目の挑戦もナショナルオープンのタイトルには1打及ばなかった。首位と8打差の11位タイから出た石川遼は、4バーディ・2ボギーの「68」で回り、トータル2アンダー。優勝した片岡尚之、原敏之とのプレーオフには加われずに単独3位で4日間を終えた。
「優勝は(清水)大成次第と思っていたけど、前半2アンダーで回って順位が上がっていたり、相対的にいいプレーができていると思っていた」2位に4打差をつける首位から出た清水大成だが、日本オープン特集の難セッティングでは何が起こるか分からない。石川はタフなコンディションの中、これまでの3日間と変わらぬ攻守のメリハリをつけたマネジメントに徹し、淡々とプレーを続ける。前半2つ伸ばして上位陣にジワジワと詰めて折り返したが、10番で3パットのボギーを叩いて後退。それでも13番パー5で2.5メートルのバーディパットを沈めて取り返すと、14番パー4も2.5メートルの好機を演出するが、バーディパットが決まらない。15番パー4では手前3メートルを決めてバーディを記録するが、16番パー3で1.2メートルのパーパットがカップに嫌われてボギー。それでも清水がボギーやダブルボギーをたたいて後退するなか、石川も一進一退の攻防を続けながら上位に食らいついた。バーディで上がればという最終18番パー4は、ティショットを左ラフに入れてパーオンを逃すと、3メートルほどのパーパットを気持ちの入ったストロークでねじ込んだ。最終日のパーオン率は66.67パーセントとフィールド5位タイの数字。「パッティングがスコアを左右する展開に持っていけたので、すごく楽しかったですけど、悔しい気持ちもある」と4日間で1打差という結果に素直な感情を表す。最終日だけでも悔やまれる1打は多い。「10番のファーストパットでタッチを合わせられず、セカンドパットは押し出したりもあった。14番のパットも狙ったところよりもちょっとだけ右に出た。ひどいひっかけとかプッシュではないけど、ほんのちょっと練習の感覚より右に出たかなというのとか…細かい部分なんですけど」と反省の弁が口をつく。「ドライバーからパターまでうまくなることをコツコツと続けていくしかない。練習で上げていく部分と技術的に上げていく部分と試合でのマインドセットだったり。(今週は)攻めすぎたり、調子を落としたりメンタル面でブレることがなかったので、そこは続けていきたい」。技術的な課題を感じながらもメンタル面では及第点をつけた。2009年大会はプレーオフに進出して小田龍一の前に敗戦。今年は終わってみればそれ以来の惜敗となる1打差だ。今季初優勝もお預けとなり「あしたからの練習にぶつけていくしかない」と前を向いた。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>