<富士通レディース 初日◇17日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>日本ツアーでは自身初となる首位発進(単独)を決めた渋野日向子が、ホールアウト後、開口一番、悔しさを表したプレーがある。それが最終18番パー4のパーパットだった。
グリーン手前からのアプローチを2メートルに寄せて臨んだファーストパットは、キレイにラインに乗りカップへ一直線。決まることを確信した表情で、渋野も歩き始めたのだが、そのボールはカップの縁をクルリと「360度」回って手前に戻された。思わず手を広げ、“まさか”といわんばかりの大きなリアクションだ。「入ったと思ったしカッコ悪い! 最後のは悔しいし、恥ずかしい」。そう言って苦笑いを浮かべたが、この日のパットが好調だったこともその“確信”の理由になっていた。今季はここまでパターに悩まされ、先週の「スタンレーレディス」もそれが原因で予選落ち。ただ、今週の火曜日に福岡県にあるパッティングスタジオで、データなども駆使し、自らのパター傾向を研究すると、それが効果てきめんだった。パット数は全体3位タイの「25」。チャンスや、1番の8メートル、2番の7メートルといったロングレンジ、さらにシビアなパーパットも次々と決め6アンダーの首位発進につなげた。「予想以上(の効果)。もっと早く行っておくべきだったし、もっと早く知っておくべきだった」と、本人も驚く効果を実感した。最終ホールのパットに関しては、何度も「恥ずかしい。ああいうところが私っぽい」と笑った。ただ、そのパットも内容は「狙ったところにしっかり打てていた」と、納得いくもの。思わぬアクシデントということもあり、2日目以降への影響も少なそうだ。リーダーボードのトップに立ち「ひさびさに見る景色」と、しみじみ。米国ツアーでは単独首位発進は2022年の「AIG女子オープン」(全英)、23年の「フリードグループ・スコティッシュ女子オープン」と2度あるが、苦しい時間が続いていただけに「自分でもビックリ」という結果だ。最後はまさかの形でパーを逃したが、21年10月の「樋口久子 三菱電機レディス」以来となる優勝のチャンスは逃したくない。
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