<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 事前情報◇18日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6600ヤード・パー72>2013年の賞金女王で、昨年の開幕戦で6年ぶりに現役復帰した森田理香子が主催者推薦で今季初出場する。この大会は8年ぶり11度目の出場だが、会場となる新南愛知CC美浜Cは師匠の岡本綾子が監修したコースで、昨年に続いて今年もコースセッティングを担当している。
師匠も興味津々の今季初戦。この日のプロアマ大会ではハーフターンした後半の1番パー4で、岡本が見守るなかのティショットに「めちゃ緊張した。試合以上に緊張した」と話したが、ナイスショットを披露して師弟はともに笑顔を浮かべた。「なかなか岡本さんと会う機会がないんで、こうやって試合で会えて、お話しをさせてもらえるのはすごくうれしい。ゴルフもそうだけど、岡本さんには人間的に成長させてもらった。今になってすごく思うことだけど、言われたことが響いています。そういうことを『感謝しています』と今週もお話ししました」2008年のプロテストに一発合格し、10年に初優勝を果たした。12年に2勝目を挙げ、翌年の13年に4勝して平成生まれ初の賞金女王に輝いた。まさにとんとん拍子の出世街道。そのころ師匠が送った辛口エールの意味は、当時23歳だった森田には理解できなかったが、35歳になった今ではよく分かるという。「賞金女王になったときに『精神年齢と成績が伴っていない』と言われました。幼かったですね。この年になって、その意味がよく分かります」最後の勝利は2014年。そこから成績は下降線をたどった。スランプに悩み、アプローチがイップス寸前に陥ったこともある。ツアーから距離を置き、事実上の引退となった2017年シーズン途中を最後に岡本門下からも“卒業”する形となったが、「岡本さんは一生師匠です」。森田が年齢を重ねて“大人”になるたびに、師弟の絆はより強固になった。「うまくなりたい。もっとイケると思っているのに、試合では結果が出ない。悔しいですよね。だから、ゴルフを続けている。やっぱりプロゴルファーだなと思います。出るからには今週も優勝を頭の片隅に置いてプレーします」復帰1年目の昨季は7試合に出て、予選通過は36位だった初戦の「ダイキンオーキッドレディス」の1試合だけ。そこから地道に練習とトレーニングを重ね、「ドライバーは今が一番飛んでいるんじゃないかな」と胸を張った。非シードの選手を対象に来季の出場優先順位を決めるQT(予選会)も既にエントリー済み。師匠の熱い視線を受けながら、本格復帰を目指す元女王の挑戦が始まる。(文・臼杵孝志)
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