いよいよ来週に迫った欧米対抗戦「ライダーカップ」は、ニューヨーク近郊のロングアイランドにあるベスページ・ブラックCで開催される。ゴルフ界屈指の人気イベントには大ギャラリーが詰めかけ、当然ながら多くのファンがホームの米国チームに声援を送る。その一方で、欧州チームには激しいヤジが飛ぶことも予想されている。
過去に同コースで行われた「全米オープン」では、セルヒオ・ガルシア(スペイン)がヤジを受け、観客とトラブルになったこともあった。そうした状況を踏まえ、欧州チームのルーク・ドナルド主将が“ヤジ対策”に乗り出している。先週火曜日、ローリー・マキロイ(北アイルランド)ら欧州チームのメンバーが集まったミーティングで手渡されたのは「バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセット」。この機器はロープの外から聞こえる騒音やヤジを調整しながら、コース内の状況を仮想体験できるという優れものだ。DPワールド(欧州)ツアー「BMW PGA選手権」終了後、マキロイは「実際に直面する環境を想定している。本番前にできるだけ感覚を鈍らせる必要があるからね。観客に好きな言葉を叫ばせられるんだ」と説明。本番での“慣れ”を意識した取り組みだという。前回に米国で行われた2021年大会はコロナ禍の影響で渡航制限があり、会場は米国のファンが大半を占めていた。今大会では欧州側の応援も増える見込みだ。BMW PGA選手権には、前週に子供が誕生したセップ・ストレイカ(オーストリア)を除いた欧州チメンバー11人が出場。その後ストレイカも合流し、チームはそろってニューヨークへと乗り込んだ。(文・武川玲子=米国在住)
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