<ソニー 日本女子プロ選手権 3日目◇13日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>青木瀬令奈が首位と3打差のトータル7アンダー・4位で最終日へ向かう。「70」「71」「68」と連日のアンダーパーで、フィールドでは青木と金澤志奈の2人だけ。5バーディ・1ボギーの好プレーだった3日目を振り返ると、「うーん…。全体がどうだったか分からなくなるくらい、最後まで必死にやっていました」。疲れ切った表情の中にも、充実感をのぞかせた。
今大会に向けてオフには藤田さいきらと「プチ合宿」を張り、時間をかけて丁寧に準備をしてきた。「頭も使ったし、気力も使った。覚悟を持って毎ショットを打っていましたね」。心技体を研ぎ澄まし、「18番グリーンで(喜びで)膝から崩れ落ちる準備をしているくらいのメンタル」で一打を積み重ね、この好位置につなげた。この2日間は「朝の練習場で腰がちょっと痛かったり、体はあんまり万全ではない」と明かす。それでも、コースに出れば、フェードとドロー、球の低い高いをしっかりと打ち分け、技術を光らせた。「コースに出るとそれ(腰痛)どころじゃなくなる。大洗マジック。痛みが出なくなるというか、体がしっかり動いてくるんです」。ホールアウト後は、昨年に負った種子骨骨折の影響などもあり、体をケアする時間を重視していて、「よく寝るように意識しています」と疲れを翌日に持ち越さないことを大事にしている。コーチ兼キャディを務める大西翔太氏とも、“どうやって一緒に戦うか”を話し合った。4位で終えた先週の「ゴルフ5レディス」では、大西氏が配信サイトの解説の仕事のため、別のキャディがバッグを担いだ。「そのときの自分のメンタルがすごくいい状態だった。反省点や(良かった)ポイントをコーチと話し合って、いつもはプロコーチでも試合ではプロキャディに徹してほしいとか、掛け声とかをお互いに再確認できた」。メジャータイトルをつかむべく、まさに文字通りの“二人三脚”だ。「いいメンタルでプレーできているので、この順位にいられるのかなと思っています。それを維持しつつ、最善を尽くすのみ」。人事を尽くして天命を待つ。32歳、プロ15年目のベテランの技を惜しみなく発揮する。(文・笠井あかり)
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