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「大たたきして落ちた」“雪辱の地”大洗をピン純正シャフトで攻略 高野愛姫はあす21歳バースデー

<ソニー 日本女子プロ選手権 3日目◇13日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>6月の「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を挙げた高野愛姫(たかの・あいひ)は、それ以降、予選落ち5回。最高位は「明治安田レディス」の27位と苦しんでいた。

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「優勝してから自分の中で変わったものは特になかった。『なんでだろう』って思いながらこの試合も始まっちゃった。優勝する前から目標にしていた『トップ10』を『トップ20』に変えてみようかなって。トップ10って思っているとつらいけれど、20位にしたら自分のことを許せる。ゴルフが楽しくできるようにしました」ボギーが来ても大丈夫。そんな心の余裕ができたのかもしれない。初日は1ボギー・バーディなしの「73」だったが、2日目からは「68」「69」とボギーフリー。首位と4打差のトータル6アンダー・5位で最終日を迎えることになった。好スコアの要因は、3日間78.6%(33/42)で全体4位につけているフェアウェイキープ率。最近は「もともとドローボールなんですけど、練習場で逆球が出たりしていて…」と感触が悪かった。そんな中、開幕3日前の月曜日に、契約するピンのツアー担当者から純正シャフト『ALTA J CB BLUE S』で組まれたユーティリティを受け取った。試しに打ってみると、高野の感覚にピタリとハマった。フェアウェイウッド、ドライバー(G440 SFT)と順にテストし、即投入を決めた。中学2年生からピンを愛用するが、純正シャフトは「初めて」だった。ピンの担当者いわく、「しなり感がよくてつかまるモノです。50グラム台で女子プロでも振れるものなので、試してもらいました」と説明する。高野も「安定しています。高さが出て、ちゃんとドローが出る」と、フェアウェイキープがカギになる大洗ゴルフ倶楽部の攻略へ、新たな武器を手に入れた。3年前、初めて最終プロテストに進出。そのときの舞台がこの大洗だった。初日に「79」と崩れ、トータル10オーバーで不合格に終わった苦い思い出がある。大会最終日の14日(日)は21歳の誕生日。「大叩きして落ちたし、林に入って出なくてっていうばかりで、本当に悪いイメージしかなかったです。選手権が大洗って決まって、誕生日にプレーができるのかっていう心配があった。このスコアで回れていることに、自分が一番ビックリしています」。決勝ラウンド進出という目標はクリアした。トップ10はもちろん、優勝も見える位置につけている。「いまの段階ではすごく満足しています。いい位置でプレーできることになったので、楽しむことだけを考えて回りたいです」。誕生日を自らの手で祝い、苦い記憶を最高の思い出に塗り替えたい。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA Net>

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