<ニトリレディス 最終日◇31日◇北海道カントリークラブ 大沼コース(北海道)◇6955ヤード・パー73>前年覇者の桑木志帆は、首位と2打差の6位で最終日をスタートした。前日には今大会の主催であるニトリの代表取締役会長兼CEOの似鳥昭雄氏から激励を受け、「また一段と気合いが入った。『優勝したい』という思いが強まりました」と連覇への闘志を高めていた。
逆転優勝を狙った18ホール。「ショットの調子が悪くなって、そのなかでもチャンスはあったんですけど、(パターが)入らなかったです」。1番から出て3番でバーディが先行するも、続く4番でボギーを叩き、その後はパーが続く展開に。「なかなか取り返せなくて悔しかったです」と振り返るように、この日は3バーディ・1ボギーの「71」。トータル10アンダー・4位タイと、思うようにスコアを伸ばせず悔しさをにじませた。それでも最終18番ではギャラリーを沸かせた。左ラフからの3打目。「パターが入らないのでサードを入れようと思って」と放ったショットはピン奥2メートルに着弾。バックスピンで戻り、カップに向かって転がった。「入れ!」という大歓声が響いたが、ボールは惜しくもカップの横を通過。それでも50センチほどのパットを沈めてバーディで締めくくった。「入ったと思ったんですけど、惜しかったです」。悔しさのなかにも「バーディを取れずに終わるよりは、最後に取れたのでまだ良かったです」とモヤモヤが少し晴れた。そのスーパーショットに、ギャラリーから拍手喝采だ。桑木は昨年の「資生堂レディス」でツアー初優勝を挙げ、年間3勝。メルセデス・ランキング(MR)で自己最高の6位に入った。今季も複数回Vを狙うが、ここまで18試合に出場しトップ10入り9回。安定感は示すものの、優勝はまだない。それでも前週の「CAT Ladies」の2位や今大会での戦いぶりを振り返り、「だいぶ自分の意図通りのプレーができてきたし、調子があまり良くないなかでも上位で戦えるようになった」と自信を得ている。「海外に出た経験を生かせていると思う」。今年は「全米女子オープン」、「KPMG全米女子プロ選手権」、「AIG女子オープン」(全英)と3つの海外メジャーに初挑戦。その経験が国内での安定感にもつながっていることを実感しており、今季初Vが待たれる。現在の世界ランキングは87位。今年の8月25日時点で世界ランク400位以内に入っている選手は、米国女子ツアー出場権をかけた予選会の2次から挑戦できる。ただ、これについては「あまり意識はしていなくて、受けるかどうかはまだわからないです」と心境を明かす。「TOTOで頑張ります」。日本で唯一開催される米女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」で優勝すれば、来季からの米ツアー出場資格を得られる。昨年優勝し、今年、米ツアールーキーとして戦う竹田麗央がその好例だ。桑木も同大会で結果を残し“竹田ルート”を狙う意欲を秘める。まずは日本での今季初優勝を目指していく。(文・高木彩音)
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