<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日◇15日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>今季ここまでの20試合で、予選落ちが16試合。不振にあえいできたツアー通算1勝の吉本ひかるにとって、軽井沢での初日は、暗闇に光がさしこむ一日になった。今季自己ベストスコアの「68」という結果に、まずはホッと一安心。60台で回るのも「明治安田レディス」初日の「69」に続き、今季2度目だ。
「調子はよくないし、かみ合わない」。結果が出ないことで「ピンを狙わないと」という焦燥感を生み、それがミスにつながる…。こんな“負のスパイラル”に入り込んでいた。この根本にあったのが、ドライバーの不振。「曲がる、飛ばない、振れない、…けど、やるしかない」と、ここまでの状態を表現する。ドライビングディスタンスを見ると、昨年の227.89ヤード(77位)から、今季はここまで212.44ヤード(100位)と、実に15ヤード以上も数字がダウン。「最初の頃はコースに行くのも嫌でした」というのも本心だったが、そのなかで暗中模索を続けてきた。「大東建託・いい部屋ネットレディス」後のオープンウィークには、長年指導を受ける中島敏雅コーチのもとで、スイングもチェック。「左を嫌がっていた」という部分などに対しアドバイスを受けた。また、コーチと相談したうえでドライバーとUTのシャフトも変更。これまでのしなりが少ないモデルから、しなるものに替えて心機一転をはかっている。この日の計測ホールでの平均飛距離は215ヤードだったが、フェアウェイキープ率は64.2%(9/14)と及第点の結果に。ただパーオン率は77.7%(14/18)とショットは切れ、パット数も28を記録した。奪った4つのバーディは、すべて3メートル以内のパットを決めたものだ。「メリハリをつけてできました。これまでは自分にストレスをかけてしまっていた。ストレスフリーでいきました」。焦りからピンだけを見ていた状態から脱し、マネジメント面でも冷静さを取り戻した。ボギーなしのラウンドは、昨年11月の「大王製紙エリエールレディス」第2ラウンド以来で、今シーズンでは初。「めちゃくちゃ嫌だったけど、らしくなってきました」と、これも大きな安心材料だ。ドライバーは1カ月ほど前から安定感を取り戻しているという実感があったが、それが結果にもつながった。4アンダーは首位と2打差の7位タイ発進。現在メルセデス・ランキングは121位と低迷しているが、ここからの浮上にも期待する。「(ポイントのことを)考えないわけじゃないけど、1試合1試合に集中して。一発逆転もあれば」。ただ、まずは「きょうのようなプレーを続けて、積み重ねたい」。これが今の吉本にとって最も自信につながるできごとになる。(文・間宮輝憲)
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