<明治安田レディスゴルフトーナメント 初日◇18日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>プロ3年目にして、ツアーで初めて決めたホールインワン。それは「シーン」と静まりかえった中、ボールがピンに当たる音だけが響くさびしいものになった。それでも仲村果乃は、「ピンに向かって飛んで行ってる感じはしたけど、(ピンに当たる)音が聞こえて。跳ねてどこかに行ったかなと思ったんですけど、そのまま入ってくれました」と快挙達成を喜んだ。
そのシーンは後半の12番パー3。実測192ヤードのティショットを4UTで打つと、それがそのままカップインした。「すごくうれしいです。(過去には)1回だけあって、それも高校1年生の時。すごくひさしぶりですね」。そこまでも5バーディを積み上げ上位争いに加わっていたが、そこにさらに“◎”を加えた。ただ、静寂の中のホールインワンは少し残念そう。今大会はクマの目撃情報が出されたことで前日の競技が中止になり、さらに無観客での開催になった。本来であれば、大盛り上がりするはずだったグリーン周辺も、この日はピンに当たる音がティまで響くほど静か。「ギャラリーのみなさんの前で、という気持ちが強かったですね」というのも本音だ。さらにそのホールインワン以降、スコアが動いたのは15番で叩いたボギーのみ、というのも悔しい点。「もう少し伸ばしたかったですね。ホールインワンのうれしさで、整理がつかない状態のなかホールを消化してしまいました」というのが、初エースの“副作用”になってしまった。それでも6アンダーは首位と3打差の3位タイ。優勝争いに向けて、大きなプレーになったことに違いはない。クマ出没の不安については「見かけたと聞いた場所では、大丈夫かなと思いながらでした。クマが怖いからどういう対処が施されるのかなと思いながら、(開催が決まった前日は協会から)メールが来るまで、どうなのかなという気持ちで待ってました」と話す。それでも「ご飯がおいしい」という宮城県は、大好きな土地。そこで、最後まで優勝を目指せる位置についていたい。QTランク30位で開幕を迎えた今季は、第1回リランキングを4位を突破。先週の「ミネベアミツミレディス」で2位になるなど、トップ10にも4度入っている。優勝争いも経験し、メルセデス・ランキングも現在24位とシード圏内で戦っている。「レギュラーツアーでも上位で戦わないといけないという気持ちがあるし、(実際に)上位で戦えている。去年よりも成長していると感じます」。このホールインワンでは、明治安田生命から賞金10万円も贈られ、まさに縁起物。たとえギャラリーがいないコースでも、目指す“初優勝”の価値は変わらない。(文・間宮輝憲)
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