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故郷・沖縄から2200キロ プロ12年目の山城奈々が北海道で目指す初V「勝ちたい!」

<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 3日目◇12日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6688ヤード・パー72>最難関ホールの18番でバーディを奪った山城奈々が、初日から首位を走る内田ことことの差を最後の最後で1打縮めた。「やっときた。良かった〜」。2バーディ・2ボギーのイーブンで迎えた激ムズのパー4。残り153ヤードの2打目をピン左手前1.5メートルにピタリとつけた。

【写真】キュートですね 道産子・政田夢乃さん

「イラっとはしなかったけど、きょうはパットが入らないなぁと思っていた。でもショットはいいので、我慢してチャンスを作っていれば、1個くらいは入るかなと思ってやっていました」8番の2メートル弱、11番の1.5メートルなどバーディパットは何度もカップをなめて蹴られた。それでも、3日間の平均スコアが『4.33』と今年も一番難しいホールで奪った千金のバーディ。我慢を続けて得た“ご褒美”に、31歳はニコニコ顔だった。TP単年登録(現在は制度廃止)した14年1月1日付でJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)に入会し、プロとなった。同年7月にはプロテストに合格。しかし、最大の武器だった豪快なドライバーショットがイップスに陥り、ツアーの出場機会は激減。23年、24年の獲得賞金は0円だった。そんなどん底から這い上がってきたプロ12年目は、「今は気持ちよく振れるようになった」と胸を張る。2オンに成功した6番パー5の飛距離は294ヤードを記録した。5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」以来、2度目の最終日最終組から初優勝を目指す。故郷の沖縄から北海道まで直線で約2200キロ。過去には「外国みたい」と感動していた沖縄出身プロもいたが、山城は「北海道といえばカニでしょう」と豪快に笑った。初めて北海道を訪れたのは、2010年にツキサップゴルフクラブで開催された「日本女子アマ」に出場したとき。「どこのコースとかは全然覚えていないけど、カニを食べて、自宅に送ったことだけは今でも覚えています。やっぱりカニですよ。雪とかは寒くてイヤです」。首位とは2打差。プロデビューから169試合目での頂点に向けて「勝ちたい!」と気合い十分だ。カニをたらふく食べるためにも、このチャンスは挟んで離さない。(文・臼杵孝志)

<ゴルフ情報ALBA Net>

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