<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 2日目◇11日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6688ヤード・パー72>自己採点は満点だった。7バーディでボギーなしの「65」で回った内田ことこが、3人の首位タイから抜け出し、単独首位に躍り出た。2023年「大東建託・いい部屋ネットレディス」3日目にマークした自己ベスト、そして大会コースレコードにも並ぶビッグスコア。今週は車で1時間ほどの北海道南幌町の実家から通う22歳は「満点? そうですね。パットもショットも全体的によかった」とうなずいた。
正午の気温が24.7度と北海道らしい涼しさが戻った大会2日目。体感温度をさらに下げる強風が吹くなか、パーオン率で1位の88.9%(16/18)と好調のショットがブレることはなかった。「風が強くて難しそうだなぁと思ってスタートしたけど、いいスコアで回れてよかった。ボギーなしがうれしいですね」。4メートルをきれいに沈めた4番からの3連続バーディで勢いに乗り、後半のインは3バーディ。気持ちよくスコアを伸ばし続け、初優勝に向けて大きく前進した。開催コースの真駒内CCは北海学園札幌高時代に練習で何度も回ったことがある。勝手知ったるいわば“ホーム”だが、入学したときにゴルフ部の主将として内田たち1年生の面倒を見てくれたのが、この日「70」で回り、トータル7アンダーの4位につけた政田夢乃だった。「コト(内田)と優勝争いができたらうれしい」と話していた政田は、内田について「チャランポランですね」と笑いながら評した。「いい意味では一緒にいて楽しいタイプ。悪くいえば、いい加減かな。でも、存在感はコトのほうが大きかったですね。今も昔もあのまんまです」。一方、内田も「今と同じ。優しかったです」。先輩が熱望するV争い。「私もそう思います」と後輩も呼応したが、初Vを譲るつもりはもちろんない。首位に立つのは昨年の「宮里藍 サントリーレディス」3日目以来、2度目。1年前は最終日に伸ばし切れずに3位に終わった。「あのときよりもショットの精度は上がっている自信はある。明日もあさっても、きょうと変わらずに意識していることをやるだけです」。意識するのは「考えすぎないこと」という。シンプルに目指すツアー123試合目の頂点。気合の空回りも、プレッシャーも無縁のチャランポランくらいのゴルフがちょうどいいかもしれない。(文・臼杵孝志)
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