<資生堂・JAL レディス 3日目◇5日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6766ヤード・パー72>ツアー1勝の35歳・木戸愛が、6バーディ・1ボギーの「67」をマークし、トータル7アンダー・首位タイに浮上。2012年の「サマンサタバサレディース」以来の通算2勝目がかかる最終日となる。
好スコアの要因は、ティショットの安定とパッティングだった。「フェアウェイキープして、しっかりバーディパットを打ち続けられたのがよかった」と振り返る。パターは練習日に「気分転換」で試したピンの『PLD オスロ3』を投入していた。「今週すごく活躍してくれている。“すわり”もよくて、削り出しなので打感もよくて、気持ちよくストロークできています」と好感触を得ている。「しっくりきている」この新パターとともに、前半は5つのバーディを量産した。「ピンポジションがすごく難しい。それでも難しいラインも決めきれていたので、いいスコアに繋がった」と振り返るように、2番で11メートルの長いパットを沈めてバーディを先行。4番では「カップ3つぶん右で、下りのフック」、5番では9メートルの「カップ2つでスライス」といった複雑なラインを読み切り、リーダーボードを駆け上がっていった。昨年に師匠の“ジャンボ”こと尾崎将司に言われて意識している『思い切り振る』ということを今年も意識し続けている。「ずっと私のテーマなので。やり続けていることが本当にいい方向に向かっていると思う。すごくいいショットが増えてきている」と話す。“ジャンボ”に早く朗報を届けたい。「それがもう一番です」と恩師のためにも2勝目を渇望している。12年から遠のく優勝。もし今大会で勝利を収めれば、ツアー制度施行後の記録で、22年に「樋口久子 三菱電機レディス」で11年189日ぶりに勝った金田久美子を超える12年349日のツアー最長ブランク優勝となる。そして、19年から失っているシード権の復活も見えてくる。勝利から遠ざかる中で何度も苦しい思いをしてきたが、「ゴルフが好きなので、そこを向き合っているのはすごい幸せなことなので、しっかり今を頑張りたい」と、揺るがぬ強い気持ちでここまで歩んできた。23年12月に73歳で亡くなった父・修さんの『一生懸命、前向きに頑張っていればいい日が来る』という言葉を胸に「信じて頑張りたい」と話す。「とにかくあした自分のゴルフを一生懸命やりたいというのが1番強い。フラットな気持ちで集中してやり抜きたい。思いっきりチャレンジしたい」。地元・神奈川での大会とあって、コースには多くの応援がかけつけている。「声をかけてもらえるのがうれしい。それをパワーにして頑張りたい」。長い道のりを歩んできた35歳が、積み重ねてきた日々を力に、再び頂点を取りたい。(文・高木彩音)
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