<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 3日目◇28日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇6956ヤード・パー71>ツアーデビューシーズンの20−21年シーズンからシード選手として戦い続け、今季はここまで全試合に出場し予選落ちがないツアー未勝利の石坂友宏が、単独首位で最終日を迎える。
単独トップで決勝ラウンドを迎えたこの日、7バーディ・3ボギーの「67」とスコアを伸ばし、2位に1打差をつけてリーダーボードのトップをキープ。スコアだけを見れば順調そのものだが、実は前日のホールアウト後に背中の痛みを訴え、病院で検査を受けていたという。「頸椎の下のほうから曲がっていて、それが背中に来ていると言われました。きのう分かったことでスッキリできました。朝、トレーナーさんに診てもらって、気持ちも落ち込むことなくスタートできた」と、痛みの原因が明らかになったことで、不安を払拭して試合に臨めた。とはいえ、朝の練習ではウッド系クラブがうまく振れず、「なんとかなるっしょ…」という状態でスタート。「最近トレーナーさんにやってもらっていて、よすぎて体が回るようになって気持ち悪さが出てしまって…」と、施術によって柔軟性は増したものの、逆にスイングに違和感も生まれた。とくにインパクト後のフォロースルーでは「左が軽くなった感じ」で、ティショット後に右手が離れる場面も見られた。それでもスコアをまとめて、優勝争いに踏みとどまっている。石坂は、以前から精神面に課題があった。「スイングよりも体の部分、メンタルがまだまだだ…」。前半は2番でバーディを先行したが、続く3番パー3では1メートル弱のバーディパットを3パットしてボギー。4番ではティショット前に「一人になりたくて」と木陰で体を休める姿があり、そのとき、今回キャディを務めている交際中の橋口星空(はしぐち・せいあ)さんが声をかける場面が見られた。橋口さんは日本女子プロゴルフ協会のプロテストにも挑戦した、競技ゴルファー。昨年までは「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー」にも参戦。競技者だからこそ石坂の気持ちを理解し、『いいじゃん。そんなに怒ってないで、私だったら…』と、時に厳しくも温かい言葉で背中を押す。実際、4番でのチップイン、5番でのバーディパット成功と、彼女の言葉が流れを変える原動力になったと言っても過言ではない。この最終日も“二人三脚”で挑んでいく。今週は、新しいアイアンも投入しており、ゴルフの調子も悪くない状態で迎えている。開催前の練習日には「はやく優勝して、僕に合ったクラブに調整してくれているメーカーさんや、応援してくれている方々にはやく恩返しをしたい」と話していた。今季はこれまでの8試合で5人が初優勝を達成している。日頃から支えてくれるひとたちに恩を結果で返せるように、6人目として名を刻みたい。(文・高木彩音)
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