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5カ月間の“迷走”から開花へ 幡地隆寛が今季初の上位で決勝進出「下手になっていなくて良かった」

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2日目◇27日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇6956ヤード・パー71>昨年3月のアジアンツアー「ニュージーランドオープン」でプロ初優勝を飾り、同年5月の日本ツアーで年間2勝を挙げて飛躍した31歳の幡地隆寛が、トータル10アンダー・3位タイに浮上。今季初めて上位で決勝ラウンドに進んだ。

【連続写真】右ヒザの固定が肝 幡地隆寛の最新スイング

今季は7試合で予選落ちが4度。最上位も67位と結果を残せていなかったが、その裏には“産みの苦しみ”があった。さらなるレベルアップを目指し、今年2月から過去に松山英樹のコーチを務めていた目澤秀憲氏に師事。「パター以外は(打ち方を)全部替えました」とスイング改造に着手したが、ここから迷路に入り込んだ。「右ヒザを全体的に回していたのを止めるようにしました。捻転がきつかった…。」と説明するように、以前はバックスイングのときに右に向いていた右ヒザを固定。それにより、それにより上半身と下半身の捻転差が大きくなり、思うようにクラブを上げられなくなった。「慣れてきたと思ったら、今度はやりすぎてしまう」と、柔軟性が増すにつれて、上半身を回しすぎてトップが深くなるなど「行ったり来たり」の日々が続いた。さらに「(クラブを)前に出していたのを左に振り抜くようにした」と、フォロースルーも変更を加えたが、「左に振り抜きすぎたり…」とこちらも試行錯誤。それでも「今はだいぶ良くなった。やりすぎたときも分かります」と、新スイングに順応してきた。スイング改造の狙いは球筋の改良。「構えた方向から真っすぐ打ち出して右に曲がるフェードを、左から右に曲げるフェードにしました」と、持ち球を変えることなく、「つかまるフェード」を追求。「試合で自分のスイングを打てるようになったのは最近のこと。今回のことで下手になっていなくて良かった…」と安どの笑みを浮かべた。「何をしていいか分からなくなったときもあった」と苦しい時期を振り返ったが、この5カ月間が幡地をさらに上のレベルに押し上げた。考えながら打ち続け、ときには日が暮れるまで練習して着実にステップアップ。「見た目ではあまり分からないかもしれないけど、自分の感覚では大きく変わった」と手応えを語る。それでもまだ100%のスイングではない。「これからもっと固められるように、準備していきます」と練習場に向かった。首位とは4打差。苦しみ抜いてつかんだ新スイングで、ビッグスコアを狙う。(文・高木彩音)

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