<フジサンケイクラシック 初日◇31日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>2021年大会覇者の今平周吾が、日本オープンのような難セッティングとなった今年の富士桜で、3バーディ・1ボギーの「68」をマークし、トップと2打差の2アンダー・7位タイと上々のスタートを切った。その手にはいつものエースパターではなく、ソールに鉛をべったり貼ったパターが握られていた。
「ラフに入れたら難しくなると思っていた。しっかりフェアウェイに行っていたので、いつも通りのフジサンケイのセッティングの感じで回りました」。100ミリにカットされた今年の深いラフは、ひとたび入ればグリーンに届かせるのが難しい。たとえ届いたとしても、ラフからでは硬く締まったグリーンにはなかなか止められない。今平は初日、5つのパー3を除く13ホール中9ホールでフェアウェイを捉え、外したホールも14番パー5のボギー1つだけに収めた。 気になったのは今平のパター。いつものエース、オデッセイ『ストロークラボTEN』ではなく、ソールに鉛をべったり貼った『ヴァーサ ジェイルバード ブラック』が握られていた。「ここのところずっとパターが入っていなかったので、ちょっと気分転換に換えてみようかなと思って」と今平は変更の理由を話す。ヘッドに穴が空いた白黒の『ヴァーサ ジェイルバード』といえば、今年の「全米オープン」で最終日最終組を回ったリッキー・ファウラーとウィンダム・クラーク(ともに米国)がどちらも中尺モデルを使用して大きな話題を集めた。今平はもともと中尺パター愛用者で、結果的に2人とほぼ同じパターを使ったことになる。 実はきのうのプロアマ戦では、ハーフターンした今平のパターに鉛を貼るオデッセイのパター担当・中島申隆氏の姿があった。「ちょっとヘッドが軽かった。グリーンが速いのでストロークを安定させたいなと思って鉛を貼りました」と今平はいう。 今季は開幕戦でいきなり優勝を飾ったものの「ショットが悪くはないんですけど、パッティングが噛み合わない。パターが良くなったらショットがイマイチになって」と、その後はなかなか優勝争いに絡めずにいた。「そういうところを少しずつ埋めていっているような感じです」と、初日に11.5フィートの速さが出たグリーンに、鉛べったりパターがハマり、『26』パットの好ラウンドにつなげた。 「明日もまた難しいセッティングだと思うので、きょうみたいにフェアウェイを捉えられれば、チャンスも増えると思う。そういうふうにマネジメントしていきたい」。今季2勝目に向け、さらに調子を上げていく。
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