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しなやかなフットワーク 腕は何もしない岩田寛【男子TOP10 ドライバー連続写真解説】

2022年の男子ツアーを振り返ると、賞金王に輝いた比嘉一貴や比嘉に次ぐ2位の星野陸也ら、今年の男子ツアーは20代が活躍する一年だった。ここではツアープロコーチ・石井忍が、国内男子賞金ランキングでトップ10に入った選手たちのスイングを連続写真で分析し23年の活躍を占う。

今回は賞金ランキング5位の岩田寛のスイングを解説。22年シーズンは「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント」で優勝し、通算4勝目を挙げた。出場試合数は25試合でトップ10回数は8回。ドライバーの平均飛距離とフェアウェイキープ率を合算した数値、トータルドライビングでは7位を記録している。

そんな岩田のスイングの特長について石井は「しなやかなフットワークで飛ばしていく柔らかいスイングです。手打ちという言葉がありますが、岩田さんの場合は腕は何もしない“足打ち”です」と話す。

「両腕がつくったスペースをずっと変えずに、腕は極力なにもしていない。切り返しは下半身がしゃがむような動きで、左サイドを伸ばすことなく左に回転していき、クラブが体に引っ張られて動き始めています。そして、インパクトで蹴り上げることで飛距離につながっています」

「スイング中は終始両ヒジの間隔が変わらず、腕の動きを極力抑えて振っている。体と腕とクラブが同調しているので、長く活躍できるのです」と、プロ転向04年から19年経つ今でも奮闘する秘訣を説明した。

40歳を超えても攻撃的な攻めのゴルフをする岩田の安定した強さの秘訣は、華麗なフットワークにある。今年も若手に負けない勢いで通算5勝目を挙げるのが楽しみだ。(文・高木彩音)

■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。

<ゴルフ情報ALBA.Net>