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石川遼が来年をにらんで飛距離アップへ 「脚の使い方は避けては通れない」

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前情報◇30日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

石川遼は今季最終戦を前に、来季に向けて飛距離アップを課題に挙げた。現在のドライバーのキャリーはおよそ290ヤード。これを「5ヤードから10ヤード、キャリーを伸ばしたい」と考えている。ショット前には下半身の動きを意識して素振りやシャドーを繰り返す。いったいどんなことを考えているのか、本人に聞いた。

「これからスピードを出していくうえで、脚の使い方は避けては通れない道。先々週くらいから少しずつ意識しています。本来は下半身の効率のいい動きにつられて、上半身が効率のいい動きができたときに、クラブがついてきてっていうのが理想なんですけど、順番が逆になってしまっている」

20年から始めたスイング改造では、シャフトの上げていく軌道と下ろしてく軌道を近づけ、1プレーンにすることを優先して取り組んできた。以前は左右の体重移動を大きく使い、トップでは反動を利用してクイックに切り返していた。しかし、プレーンを固めるために体重移動を少なくして、スイングのスピードを落とし、トップではしっかり間を取りながらフォームをチェンジ。秋には一度、スイングスピードを上げる段階に移行したが、9月下旬の「バンテリン東海クラシック」で腰痛により途中棄権したこともあり、復帰してからは腰の調子と相談しながら戦ってきた。

「下半身の動きに手をつけられるのは想定していなかった。まずはクラブのプレーンを整えるのが一番の目的で、それは自分が思った以上のところまでは来ている。それを変えずに下半身の動きを理想に近づけるのであれば、それに越したことはない。徐々にできるようになってきているし、来年に向けての課題です」

また、下半身の意識に関しては、「いままではバックスイングから右へのシフトが強くて、その反動で左にシフトしていたんですけど、それだと腰が回らなくなる感じがあった」と左右の体重移動を減らした理由を説明する。

ひと昔前までは、ヒザの角度を変えずに振るスイングがセオリーとされてきたが、スイング解析器の進歩によって、効率的に飛ばせる動きが確立され、ヒザの曲げ伸ばしを積極的に使って、前後や上下の重心移動で飛ばす選手が増えてきた。「僕は左ヒザを伸ばして右ヒザをめっちゃ出していくのがあんまり好みではないので、前後の意識はあまりないんですけど、とにかく最大限に右脚を使って地面を最後に蹴ることは覚えたい」。腰の回転を止めないことに加えて、右脚の蹴りを飛距離アップのポイントに挙げた。

今シーズンの石川のドライビングディスタンスは294.06ヤードで全体16位。ツアーNo.1の飛ばし屋・河本力や蝉川泰果、清水大成といった若手の飛ばし屋と回れば、20〜30ヤード離されることもある。「若い選手たちがこの東京よみうりでどういうゴルフをするのかもすごく見物」と話しつつも、「自分は自分のゴルフでやりたいなと思います」ときっぱり。過去2勝している大会で、簡単に勝ちを譲るつもりはない。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>