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予選落ちを機にメンタル改善 中島啓太がプロ初Vへ好発進「今週を最終戦にしたくない」

<カシオワールドオープン 初日◇24日◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)◇7335ヤード・パー72>

今年9月にプロ転向し、先週の「ダンロップフェニックス」でプロ初の予選落ちを喫した中島啓太が、5バーディ・ボギーなしの「67」をマークして首位と3打差の3位タイ発進。予選落ちをバネにして、プロ初優勝へ好位置で滑り出した。

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自分にかけていたプレッシャーから解放された。昨年の「パナソニックオープン」でツアー史上5人目のアマチュア優勝を遂げ、世界アマチュアランキングでは2年連続1位に輝いた逸材。「プロになる前から予選落ちしていなかったので、『予選落ちを絶対にしないように』と自分でプレッシャーをかけていました」。

中島が国内ツアーで予選落ちしたのは、腰痛のため第2ラウンドスタート前に棄権した「東海クラシック」を除くと、2021年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」が最後。アマ時代は6試合連続、プロ転向後は5試合連続で週末に進んでいた。13試合ぶりに予選落ちを喫して「気持ちが吹っ切れたというか、すごくいい気持ちで回れています」と結果を気にせずのびのびとプレーをした。

ただ、持ち前の切れ味するどいショット力が戻ったわけではない。先週は「以前できていたボールを操ることができていない」と話していたが、この日も「大きく変えた部分はない」。それでも好スタートを切れたのは「ティショットが安定していたので、ストレスなくできた」ことが大きい。

この日は風が巻くコンディション。「風の日は難しい部分もありますが、助けられる部分もある。無風よりはやりやすい」と風にぶつけたり、乗せたり風を味方につけて「バーディパットがたくさん打てている」と高いパーオン率でスコアを伸ばした。

現在の賞金ランキングは73位。30人しか出場できない最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場は難しい位置だ。昨年の優勝で得た複数年シードで来季出場権は保持しているが、「今週を最終戦にしないように、来週のチャンスを得られるように優勝目指してがんばります」。優勝すれば文句なしに来週も出場できる。気持ちを吹っ切った逸材がいよいよ覚醒する。(文・小高拓)

<ゴルフ情報ALBA.Net>