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東京五輪金のザンダー・シャウフェレは右手を“添えるだけ”ルーティン【米ツアーの“ヒトネタッ”!】

ゴルフのトーナメント会場は“ネタの宝庫”。ただ、そのすべてを伝えることはなかなか困難なこと…。そこで現場記者がコースを歩くなか“見た”、“聞いた”もののなかからちょっと気になった1つのテーマ、すなわち“ヒトネタ”をご紹介! 今回は日本開催の米国男子ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の会場、アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県)から。

昨シーズンの1ラウンド当たりの平均バーディ数は4.32で米ツアー全体9位と、攻撃的なゴルフが持ち味のザンダー・シャウフェレ(米国)。東京五輪では松山英樹と最終日最終組を回り、金メダルを獲得している。今年の「ZOZOチャンピオンシップ」では予選2日間が松山と同組になった。シャウフェレの母親は日本育ちの台湾人で、妻のマヤさんは沖縄生まれで彼女の母親は日本人と、日本とも縁がある。

そんなシャウフェレが練習場で見せたルーティンが気になった。右手をグリップから離して左手に触れているだけ。そのまま少しバックスイングしたあとクラブを戻して、今度は両手で握って同じように小さくバックスイング。それからスイングを開始してボールを打つ。バックスイングでヘッドは低く遠くに上げている印象だが、ダウンスイングでは鋭角な軌道でボールに打ち込まれる。

これについて本人に質問すると、「細かいところをよく見てるね。テークバックは左手が大事だから、左手のフィーリングを確かめているんだよ」。左手1本で上げる感触を確かめてから、同じように上げる動作をショット前ルーティンに取り入れているようだ。多くの右利き右打ちのアマチュアゴルファーは器用な右手を使ってしまうため、テークバックでヘッドの軌道がズレやすい。左手で上げるようにできれば、自然と肩が回転して体全体でバックスイングできるから、ヘッドの軌道がズレにくいというわけだ。

さらに練習では、股関節に右手を当てて、そこから曲げる動作も行っている。そのときも左手はグリップから離さない。「あれは股関節の角度の確認だね」と言いながらも、片山晋呉が股関節にクラブを当てて股関節から曲げることをルーティン化しているように、シャウフェレのそれも無意識の動作に見えた。

シーズンを通してショットの調子が良い選手はいない。シャウフェレは練習では弾道測定器を使って、常に自分の状態をチェックし、調子の波が大きくならないように努めてる。右手は“添えるだけ”ルーティンもその工夫のひとつと言えるだろう。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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