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日本女子プロ選手権に出場して感じたこと【原田香里のゴルフ未来会議】

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。先週の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯を、現地で、あるいはテレビやネットでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。

優勝した川崎春花さんのプレーはすごかったですね。昨年11月にプロテストに受かったばかりのルーキーで、ツアー11試合目での快挙です。19歳133日での優勝は、大会55年の歴史の中で最年少の記録です。プロになってすぐの選手が、これだけの結果を出せるということは、日本の女子ゴルフの層が厚くなったことを示していると言ってもいいのではないでしょうか。

ところで、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、日本女子プロゴルフ選手権には、私も出場していました。結果は、80、81の通算17オーバーで予選落ちという残念なものでした。アップダウンの厳しい城陽CCで、私の今の飛距離、それが、タフな公式戦のセッティングの中では厳しいことは重々覚悟していました。それでも「グリーン周りのショットの精度など、もうちょっとやれたでしょう?」という悔しい気持ちがあるのも本当です。

私は昨年に続く出場だったのですが、たった1年で選手の入れ替わりがとてもたくさんある、ということにも改めて驚きました。SNSにも書いたのですが、現在の私が、日本女子プロゴルフ選手権に出場することに対して、賛否両論あるのは自覚しています。それでも、歴代優勝者(1993年)の出場権を使わせていただき、昨年に続いて出場を決めました。

現役をいったん、退いたときには競技ゴルフを再びする気持ちはまったくなく、その後は理事の仕事に忙殺されていました。みなさんには何度かお話ししたように、仕事でゴルフ場に行くことは多くても、ラウンドする機会は年に数えるほど、プレーヤーとは遠いところにいたのです。

けれども、昨年の理事退任後、たくさんの方からプレーに誘っていただき、プロ仲間からは「一緒に試合に出よう」と言ってもらったことで気持ちが変わりました。人に求められるということは大変ありがたいことです。もちろん、若い頃のような体力はないし、練習もラウンドも足りません。それでも、再び試合に出ようと思ってチャレンジすることを決めたのです。それに対して「勇気をもらえる」などという言葉を頂戴することも多く「少しは何かの、誰かのお役に立てているのかな」と思う今日このごろです。

今年も、昨年以上に強い気持ちで出場しました。自分が出場する意味があるのかな、と感じたこともあります。今回、不動裕理さんとの練習ラウンドは興味深いものでした。大西葵さん、泉田琴菜さんという20代のふたりも一緒でした。

不動さんは今も数こそ少ないですがツアーに出場しています。それでも、ツアー通算50勝、6年連続賞金女王のレジェンズとは20代のふたりは話したこともなかったようで、貴重な経験になったようです。

試合のセッティングの中で、不動さんのプレーを間近で見るだけでもものすごい勉強だし、話をするだけでもいろいろなものが感じられるはずです。不動さんと私の会話などからも……。

経験のあるプレーヤーとして、身をもって伝えられるものが、私にもあるのではないかな、と思っています。それが脈々と続いていくことに意味があるのだと思うのです。前述のように、50代になった私の挑戦に「勇気をもらえた」と言ってくださる方がいらっしゃるというのも大きなモチベーションです。

城陽CCのある京都は、私が平安女学院高等学校時代の3年間を過ごした地でもあります。ゴルフを通じてではなく、学校生活の中での当時からの友人が、他のお友達を連れて観戦に来てくれて喜んでもらえたのも、テレくさいけれどもすごくうれしかったです。

今後、どれだけ試合に出場できるかわかりませんが、歴代優勝者として出場できるのも、現役時代に頑張って結果を出したご褒美だと思っています。日本女子プロゴルフ選手権の最年長出場も最年長予選通過も、岡田美智子さんが記録を持っていらっしゃるそうです。なんと57歳245日だとか……。

10月に56歳になる私ですが、さすがにそこを目標にするのはハードルが高すぎる気がします。岡田さんが最後のプレーされたのは20年前の2002年なので、今とはだいぶ状況も違います。

来年のことは来年じゃないとわからないので、今は何とも言えませんが、20年前に岡田さんが樹立した記録もすごいし、まだまだレジェンズツアーも含めて頑張っておられる先輩もおられます。ゴルフを楽しむことも大事だけど、プロとして技術向上にもまだまだ努めていきたい。そう思うので、岡田さんの記録を頭の片隅に入れて、せめて励みにして頑張ろうと思います。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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