今季最終戦「ツアー選手権」開幕前日は、ツアー改革発表が目白押しだ。
PGAツアーのジェイ・モナハン会長はサウジの新リーグ「LIVゴルフ」への対抗策として、トップ選手の出場試合増強や、特定大会の賞金増額などの公式会見を行った。それに続き、ローリー・マキロイ(北アイルランド)はタイガー・ウッズ(米国)と温めてきた新リーグをついに発表。テクノロジーとゴルフがコラボした新しいプレースタイル、“TGL”(テクノロジーセントリック・ゴルフ・リーグ)をPGAツアーの協賛のもとで2024年1月からスタートさせる。
選手がプレーするのはゴルフコースではなく、フットボールのスタジアム、あるいはバスケットボールのアリーナが舞台。ここに巨大シミュレーターが作られ、PGAツアー選手3人一組の6チームがレギュラーシーズンの15大会をマッチプレーで対戦し、その後セミファイナル、ファイナル戦が行われる。
テクノロジーを駆使したバーチャルコースでデータに基づきプレー。パッティング、ショートゲームは会場で実際に行われるという。
対戦を見守るのはもちろん、スタジアムに集まった多くのファンだ。「これはプロゴルフの次なる進化。未来のゴルフを作って行く」とウッズ。「これまでゴルフは他のスポーツと違ってすべてのプレーが目の前で見られなかったが、この対戦はファンがどんな瞬間も見逃すことがない。これはゴルフファンにとっても新しい時代だ」。
続けて、「伝統的なゴルフをとても尊重してきたが、このTGLはチームゴルフというエキサイティングな戦いをファンが経験できる。まるでNBAのプレーを見るように、ファンにとってもすばらしい環境。幅広いゴルフファンが獲得できるだろう」と新リーグに自信をみせた。
開催されるのはPGAツアーの試合がない月曜日の夜。月曜は米国ではNFL(アメリカンフットボール)が9月〜1月まで、プライムタイムでTV放映が行われる。つまり“マンデーナイト”というのは“フットボールナイト”なのだが、その決勝戦でもあるスーパーボウル(2月上旬)が終わるとNFLはシーズンオフに入る。そこからは“ゴルフナイト”としてエキサイティングな戦いを見せようというもの。
TV放映、開催地については今後発表される。(文・武川玲子=米国在住)
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