<ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 2日目◇10日◇麻生飯塚ゴルフ倶楽部◇6809ヤード・パー72>
弱冠19歳、今季ツアーデビューで今大会が2試合目の長野泰雅が、1イーグル・6バーディで8つスコアを伸ばし、初日の4アンダー19位タイからトータル12アンダー・2位タイまで大きく順位を上げた。
「きょうはアイアンがよくなかったのですが、パターとウェッジがよかったです。100ヤード以内とアプローチで52度と58度のウェッジが活躍してくれました」と振り返った。
福岡県出身で今大会のために、2週間ほど前から練習ラウンドに通った結果が出たのだという。「大会前に練習ラウンドを10回くらいやったおかげで、どこに打てばいいのか把握できていました。ティショットでは14ホール中12回ドライバーです」と長野。
麻生飯塚ゴルフ倶楽部はブラインドやドッグレッグのホールが多く、ティショットでドライバーを使わない選手が少なくない。だが、長野はドライバーで飛距離を稼ぐ作戦に出た。石川遼が初日を終えた時点で「単純に考えてドライバーを使わないということは、セカンドショットがプラス20ヤードになるということ」とグリーンを狙うショットが難しくなることを話していたが、ドライバーを振った長野はウェッジが大活躍する攻めるマネジメントができたわけだ。
9歳からゴルフを始め、九州シニアで優勝した経験があるトップアマの父・清一さんからゴルフを教わった。名前の泰雅はタイガー・ウッズにちなんで母・珠美さんが名付けたという。「お父さんは将司と直道で将直とつけたかったみたいですけど、昭和すぎるみたいな感じでお母さんがつけました」と、長野は日本の尾崎兄弟から世界基準の名前になった由来を誇らしげに話す。
両親からは大学進学を勧められたが、自分の考えでプロ入りを決意。高校3年時に小田孔明率いるチーム孔明の一員に。昨年行われたQTでチーム孔明からふたりしかファイナルに進むことができなかったとき、「孔明さんから“やる気がないのか”って怒られました。気合を入れられて、それで意識が変わりました」という。
オフにはチーム孔明の宮崎合宿にも参加し、きついトレーニングもこなした。そして意識改革の効果はすぐに出た。3月に開催された「東急大分オープンゴルフ2022」でプロ転向後の初勝利を挙げたのだ。そのときつかんだ手応えが、今大会で花開いた。首位とはたったの1打差。将来の夢は賞金をいっぱい稼いで「お金持ちになりたい」という長野の清々しい貪欲さは、強い武器になるだろう。
あすは、同じくドライバーを多用して首位を13アンダーで走る池村寛世と最終組でラウンドだ。長野の若さあふれるプレーから目が離せない。(文・河合昌浩)
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