<リシャール・ミル ヨネックスレディス 初日◇3日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6475ヤード・パー72>
3アンダーで首位に4人が並ぶという大混戦となった「リシャール・ミル ヨネックスレディス」初日だが、気がつけばその首位グループと1打差の4位タイにつけていたのが、アマチュアの飯島早織だ。茨城県・ルネサンス高の2年生で、今大会はマンデーをトップで通過しての出場となる。
「昨年初めてこの試合に出場したんですが、そのときよりも成長した姿を見せたいと思ってやってきました。今日は自分でも成長を感じることができてすごくうれしいです」とホールアウト後に語った飯島。昨年は3日間「73」を並べてトータル3オーバーの53位タイだった。今年は各日、昨年のスコアを上回るつもりだが、初日はスコアを3つ縮めて見せた。
実は、結構なハードスケジュールをこなしての初日だった。月曜日にマンデーに出場したあと、静岡県に移動。火曜日に静岡よみうりCCにて「全日本女子アマチュアゴルファーズ選手権」の練習ラウンドを行い、水、木曜日は本戦を戦い、首位と2打差の3位タイでフィニッシュ。そこから新潟に戻ってきたのは、夜の9時を過ぎていた。17歳の女子高生がこれだけハードなスケジュールをこなしながら、好成績をマークしたものだと思うが、そのスポーツ歴を聞けば思わず納得だ。
ゴルフを始めたのは4歳で、6歳のときに「世界ジュニアゴルフ選手権」で2位以下に12打差をつけて優勝する。その後もゴルフを続けていたが、飛距離アップのために、中学では野球部に入部。男子部員とともに厳しいトレーニングに汗を流した。さらに、週に4回野球塾に通い、夜10時まで練習していたというか恐れ入る。このあいだ、ゴルフは月に一度ラウンドするだけで、練習場にも行くことはなかった。しかし、確実にパワーが身につき、飛距離が230〜240ヤードにまでアップ。ところが、方向性にブレが生じたため、飛距離をあえて落としたという。その後、やはり飛距離は必要だと感じ、始めたのがキックボクシングだ。
「稲見萌寧さんがやっているのを知って、自分もやってみようかなと思いました。右足のキックを行うことで、スイングの際に右腰が下がるクセがなくなり、飛距離アップにつながりました」と、今度は曲がらない230〜240ヤードを手にしたという。
飛距離が伸びたことで一時はアイアンの距離感が合わずに悩んだこともあったが、それも修正して、ようやく本来の実力を発揮できるようになってきた。ちなみに、キックボクシングのジムには昨年の冬から通い始め、現在でも週に4回はトレーニングに励んでいるという。1回2時間半を要するが、ストレッチからトレーニング、シャドー、キックとパンチの練習と本格的だ。当初はトレーナーから長続きしないと思われていたが、今ではプロを目指してみないかと誘われるほどにまで上達している。
今大会では昨年以上の成績を残すことをノルマに掲げているが、2週後に開催される「日本女子アマチュア選手権」にも照準を合わせている。同学年には今年の「全米女子オープン」に出場している馬場咲希、伊藤二花に日本アマチュアランキング3位の手塚彩馨、同4位の上田澪空ら強豪がそろうだけに、そう簡単にはタイトルを獲らせてはもらえないだろうが、まずは今大会で上位に食い込み、弾みをつけられるか要注目だ。(文・山西英希)
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