新しいウェッジを購入する際、バンス角の数字を気にするゴルファーは多い。「8度はローバンスで難しいから、12度くらいにしておこう」といった具合に、モデルを決めたことはないだろうか?
たしかに、ダフリやザックリへの強さという意味で、バンス角8度のウェッジよりも、12度のモデルの方が優位になることが多い。では、メーカー違いでバンス角がどちらも12度のウェッジだったらどうだろう。同じバンス角ならミスへの強さも同じになる? 当然だが、決してそんなことはない。
実際、打ち比べてみると明らかだが、同じバンス角であっても、ソールの当たり方が異なり、振り心地にしっかりとした違いが出る。これは、バンス角以上にソールの“接地点の深さ”が性能に大きく影響するためだ。
そもそもバンス角とは、水平なラインに対して、ソールがどれだけ出っ張っているかを示す指標だ。つまり、ソールの幅や削り方によっては同じバンス角でも、接地点の深さに違いが出てくる。
たとえば、テーラーメイド『ミルドグラインド3』はシャフト軸から接地点まで9.9ミリとなっている。これは接地点が浅い部類に入り、バンス角12度なりのやさしさがある一方で、ローバンスのモデルのような抜けの良さも感じられる。ときにフェースを開いたりして、少し技を使いたい場合には最適なモデルだと言えるだろう。
一方、同じバンス角12度のキャロウェイ『JAWS フルトゥ』は、シャフト軸から接地点まで13.0ミリと深くなっている。技が使える『ミルドグラインド3』に比べて、こちらはオートマチックにボールを運んでいけるタイプ。バンス角の効果を最大限高めてくれるので、よりミスに強くもなっている。
このように、ソールの接地点の深さによって、同じバンス角であっても操作性を出すか、オートマチックにやさしく打てるか微調整することができる。バンス角の数字だけでも、一応の性能判定はできるが、より自分に合った最適な性能を持ったウェッジを見つけるには、接地点の深さを知っておくと間違いが少なくなるだろう。(文・田辺直喜)
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