このエントリーをはてなブックマークに追加

マイナビカップが12日に開幕 推しは決意を新たに挑む坂口瑞菜子「これまでは舐めてました」

将来ツアーで活躍することを目指す若手女子ゴルファーが経験を積むための場を提供するトーナメントとして、2019年に始まったマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー。22年は年間14試合を開催する予定で、第1戦マイナビカップは4月12日に成田ゴルフ倶楽部(千葉県)で、そして第2戦マイナビカップは4月21日に富士桜カントリー倶楽部(山梨県)で行われる。

それに先立ち、推しの注目選手を紹介する。今回は坂口瑞菜子選手。1999年7月生まれの22歳で福岡県出身。「10歳のとき、父と母がゴルフ好きでその影響で始めました」という坂口。プロを意識したのは柳川高校(福岡県)に進学し、ゴルフ部に入ってからだという。

「中学生のころは両親がよろこぶので“プロになる”と口だけでいってましたが、高校に入ってゴルフについて真剣に考えるようになりました。でもヘタだったので本当にプロになれるとは思っていませんでした」

そんな坂口が日本ウェルネススポーツ大学(茨城県)に進学して、さらにプロを真剣に意識するようになる。19年にプロ転向しJGTOツアーで活躍している石坂友宏、JLPGAツアー賞金女王の稲見萌寧は大学の同級生でゴルフ部の仲間。ふたりの活躍も大きな刺激だった。

「高校卒業のときに研修生になることも考えましたが、大学に進んだほうがゴルフの時間がつくれると、両親に頼んで進学させてもらいました。大学入学当時はレベルが低く、上手な人を追いかけ続けていました。真剣に取り組むスタートが遅かったんですね」

日本ウェルネススポーツ大学ゴルフ部ではゴルフ漬けの生活が待っていた。毎日のように練習やラウンドに明け暮れ、坂口は己の未熟さに気づく。「技術的には変わっていなかったかもしれませんが、精神的にはそれまで舐めていたなと思いました。もっと自分を突き詰めていかなくちゃいけない。日常生活から変えよう。すべてゴルフにつながっている」と思ったという。

坂口はツアー7勝の今野康晴に師事して「スイングをゼロからつくりなおしました。爆発的なスコアは出ないけど、下位に落ちることもない。優勝争いもできました。でも調子がよかったときは、たまたまうまくいっていただけだったんです。もっとスイングでいい球を打たなくちゃいけないと思いました」と坂口。

いい球は練習を積み重ねれば打てるようになる。でもいい球を打てるだけじゃ、何かひとつでも歯車がずれると一気に悪くなってしまう。いいスイングでいい球を打てれば、いつでも自分のスイングに戻ることができて立て直すことが容易になる。今野に教わるようになって、それを実感したという。

「いまは理想のスイングに近づくための基礎固めの段階ですが、とにかく出場できる試合では優勝争いをしたいです。昨年はマイナビネクストヒロインゴルフツアーだけじゃなく2位になった試合が何試合かありました。やっぱり優勝したいです」

昨年2回あったプロテストは両方とも受けたが、調子を合わせることができず不合格となった。「もう少しできると思っていたんですが、悔しかったです。テストに通る選手は半年、1年前から計画してやっています。私は無計画すぎました。4日間保つ体力もありませんでした」と反省。足の力、体幹の弱さを痛感し、練習量を増やしトレーニングを強化したという。

「将来はレギュラーツアーで長く戦える選手になりたいです。長くゴルフを続けていきたい。そのためにもトレーニングを積んでいきます。この2カ月で3キロ太りました。体重はもっと増やして、体力をつけたいです」

飽きっぽい気分屋の性格だが、そこを変えたいとも話す。そのためにまずは、一日のスタートに前向きな気持ちをつくることから始めたという。何事もゴルフ上達のため。「私にとってゴルフは人生。常に身近にあって、先生であり友達であり、いつもゴルフが一緒にいるんです」と話すほど、いまではゴルフに真摯に向き合っている。

「頑張っている人しか一番にはなれません。マイナビネクストヒロインゴルフツアーで優勝して、自信がほしいです」と、瞳を輝かせた坂口。マイナビネクストヒロインゴルフツアーは、第1戦マイナビカップ(4月12日・成田ゴルフ倶楽部)に出場する。(文・河合昌浩)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

【関連記事】