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昔は敬遠されたけど…最新「中空アイアン」は見た目も性能もバッチリ【ギア豆知識】

「やさしいアイアン」と聞いて、どんなモデルを思い浮かべるだろうか? 今、市場にあるアイアンは非常に多様化しており、サイズもデザインも本当にさまざまある。そんな中で、今回注目したいのは、「中空」構造のアイアンだ。

かつて「中空」というと、ゴルファーからあまり良いイメージを持たれていなかった。癖の強い形状、独特な打球音に、硬い打感など、フィーリング性能に難のあるものが多かったためだ。

しかし、製造技術が進歩するにつれて、形状やフィーリング性能も高めた「中空」が増えてきている。アマチュアゴルファーだけでなく、最新の「中空」にスイッチするツアープロも出てきており、もはやかつての悪いイメージは完全に払拭されたと言っていいだろう。

そもそも、「中空」にはアイアンを作る上でさまざまなメリットがある。ヘッドの内部に空洞を作ることで、余った重量を再配分して寛容性を高めることが可能になるし、フェースを薄く作ることもできるので、通常のアイアンよりも反発力を高めることも容易だ。

そして、一番のメリットはヘッドサイズをコンパクトに保ったまま、上記の性能アップが可能なことだろう。たとえば、コリン・モリカワ(米国)が4番アイアンだけ入れているテーラーメイド『P770』の最新モデルは、アスリート仕様のシャープな見た目だが、ヘッド内部にタングステンや「スピードフォーム」と呼ばれる充填材を入れることで、操作性やフィーリングを損なうことなく、寛容性アップに成功している。

アマチュアゴルファーに人気のテーラーメイド『P790』やピン『i525』も「中空」のメリットを生かしたアイアンだ。どちらも見た目はほぼ「マッスルバック」だが、打つと驚くほどミスに強いし、飛距離性能も高い。何よりキャディバッグに入れたときに、「マッスルバック」のような見た目は非常に“様になる”ため、多くのゴルファーが飛びつくのもよくわかる。

このように、見た目と性能の両方にこだわるなら、「中空」は最適な選択肢のひとつなのは間違いない。ただし、前述したように、アイアンとしての性能バランスにこだわったモデルもあれば、飛距離性能や直進性に特化したUTライクなモデルもある。自分に合ったモデルを選びには、しっかり試打を行い、使い心地や弾道をチェックすべきだろう。

性能的にはメリットだらけの最新「中空」だが、1つだけ大きなデメリットがあることも付け加えておく。それは価格が高くなりがちなこと。複雑な構造で、さまざまな素材を使用する最新「中空」はどうしてもコストがかかってしまい、1本で3〜4万円という価格であることが多い。お値段相応の性能があるのは間違いないが、購入コストを受容できるかどうかはよく考える必要があるだろう。(文・田辺直喜)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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