2022年の国内女子ツアーは今週開幕する「ダイキンオーキッドレディス」から38試合が行われる。今年も華やかの熱い戦いが繰り広げられそうだ。ツアー通算12勝で08年賞金女王の古閑美保が今年の展望を語る。今回はツアーで活躍するために必要なものを聞いた。
■“練習は嘘をつかない”が日本女子の世界
昨シーズンは初シードが13人誕生し、シード復帰組は8人でした。シード選手は21人が入れ替わったことになります。昨シーズンは稲見萌寧が頭一つ抜け、古江彩佳、小祝さくら、西村優菜の3人が続く形になりました。今年も新しいヒロインの誕生が楽しみです。
日本の女子ツアーで活躍するために必要なことは、私の経験上、とにかく練習量だと思います。フィジカルが強く、男性並みのショット力を持つ選手が毎週優勝するようになれば別ですが、まだまだ精度や安定感で戦えます。海外ツアーや男子の世界になるとポテンシャルなども関係するので練習だけでは補えない部分もありますが、今の日本の女子に限れば練習量がモノをいう世界です。
女子はやっぱり素直で忠実。ひたむきに練習をするから、本当に練習量が結果に反映します。昨シーズン9勝、21年だけで8勝を挙げた稲見は、練習の虫として知られます。優勝した日の夜でも、地元に戻って練習場でボールを打っていたと聞きます。あの成績はやっぱり練習の賜物だと思います。「休みはありません」、「プライベートはありません」という稲見のコメントを見ますが、負けている選手が稲見よりも練習量が少なかったら勝てませんよね。稲見に追いつくには、稲見以上にゴルフに費やさないと。どれだけゴルフに時間を費やせるかだと思います。
■歴代女王も練習量はハンパない
歴代のトップ選手も練習量は豊富です。私が現役の頃は清元登子先生に師事し、2000年から6年連続賞金女王の不動裕理さん、06年賞金女王の大山志保さんという姉弟子がいました。姉弟子二人の練習量もすごかったです。当時、不動さんより練習していた選手はいませんでした。
もともと私はそこまで練習熱心ではなかったのですが、姉弟子より先に練習をやめられません。毎週、「不動さん早く帰れ〜、大山さん早く終われ〜」と思いながらやっていました(笑)。その結果、練習量が増えて勝手にうまくなったと思います。私たち以外でも、試合会場を離れて別の練習場でボールを打っていた選手もいますし、最近でいえば2019年の賞金女王の鈴木愛や渋野日向子も遅くまで練習場に残っています。成績上位者を見ると練習量に比例しているように感じます。
練習をするには体力が必要です。ベテランは体力が落ちてくるので若い頃のような練習をするのが難しいモノ。体力に勝る若い選手が活躍するのは、そこに一因があると思います。大山さんや(上田)桃子や(笠)りつ子、(有村)智恵ら、ベテランが優勝したり、シード権を取り続けているのは本当に凄いことだと思います。
■平均72で回れる力がシード獲得の基準になる
出場する選手の中にさまざまな目標を持っていると思います。ツアーで戦うプロとしては、シード権獲得というのが最低限の目標でしょう。シード権を取るには、簡単にいえばパープレーの「72」が1つの目安になると思います。
21年に開催された38試合の中で予選カットのある試合は36。その中で、カットラインがアンダーパーだったのは6試合だけです。全試合に出場して毎日パープレーで回っていれば、30試合で予選通過できたことになります。
また平均ストローク部門を見ると36位のサイ・ペイイン(台湾)が71.9442、同37位の宮里美香が72.0103です。「72」近辺の2選手ともシード権を獲得していますし、永峰咲希や柏原明日香、臼井麗香など平均ストローク72を上回る選手も少なくありません。今年から賞金ではなく、メルセデス・ランキング50位以内が翌年のシード権獲得となりましたが、平均72で回れる力があるかが基準になると思います。
■パッティングは自分の転がりを把握すると入る確率が上がる
パープレーで回るためにはパッティング力を上げることが近道です。パッティングに自信を持てればグリーン外してもパーセーブしやすくなりますし、3パットのボギーも減らせます。プロなのだからバーディがない日はほとんどないと思うので、たまにボギーをたたいたとしてもパープレーでは回れると思います。
パッティングがうまくなるためには、ボールを打ってストロークを固めるのもいいですし、あとは自分のパッティングの転がりをいかに把握するか。パッティングといえども、みんながみんなボールは真っすぐ転がっていません。私はちょっとスライス回転でした。
自分のボールの回転が分かっていれば、ラインに対して曲がり具合も見えてきます。例えばスライス回転している人なら「スライスラインは切れやすいので膨らませて読む」や「フックラインは曲がりにくいので強めに真っすぐ打つ」など、状況に応じて自分なりの判断ができるので、入る確率も高くなると思います。もちろん試合の中での経験値もありますが、これは練習でつかめるモノです。
国内女子ツアーは昨年12月から3カ月のオフがありました。私の中では、オフシーズンは休みではなく、“試合がないシーズン”という考え。シーズン中よりも練習やトレーニングをしていました。1月2日にボールを打ち始めて、本当にしんどいと思える2カ月を過ごしていました。今週、開幕を迎えますが、各選手どんなオフを過ごしてきたか、春先の結果から表れると思います。
■古閑美保
こが・みほ/1982年7月30日生まれ、熊本県出身。身長167センチ、2001年プロ転向。03年にヨネックスレディスでツアー初優勝を遂げるなど、年間2勝を挙げて賞金ランキング3位。08年には年間4勝を挙げて賞金女王戴冠。29歳になった11年、シード権保持していたがツアー引退。ツアー通算12勝。21年からGMOインターネットグループのアンバサダーに就任
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