このエントリーをはてなブックマークに追加

今話題の新リーグってそもそも何? グレッグ・ノーマンの関係も紐解く

日々ゴルフ界を大賑わせしている“スーパー・ゴルフ・リーグ”。サウジアラビアの潤沢なオイルマネーをバックグランドに、世界のトッププレーヤー48名を集めてチーム戦で年間14〜15試合を戦うというものなのだが…果たしてそもそもどこから“新リーグ”の話しが生まれてきたのだろうか?

実はもともとこのチーム戦で戦う新リーグ構想はかなり以前から囁かれていた。だが、それは現在禍中の「スーパー・ゴルフ・リーグ」とは別の「プレミア・ゴルフ・リーグ」というもの。英国に拠点を置く“ワールドゴルフ・グループの代表を務め同リーグのCEOのアンドリュー・ガードナー氏が推し進めていた。

多少の違いはあるが、年間18試合と少ない大会で、チーム戦で高額賞金を戦うというのはほぼ今の「スーパー・ゴルフ・リーグ」と同じコンセプト。この新リーグにスポンサーとしてサウジアラビアの政府系石油会社がついていたと言われている。

そして2020年1月、サウジアラビアでゴルフサミットが開催された。その際、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)も参加、この新リーグに大いに賛同したと伝えられている。これは世界がコロナのパンデミックに見舞われる直前のことだ。

ノーマンには新リーグを巡って過去にも米国男子ツアーといさかいがある。輝かしい戦績を残したレジェンドのノーマンは、ビジネスマンとしても知られた存在。1993年にやはり「少ない選手で少ない試合数、高額賞金を戦う」という「ワールドゴルフ・ツアー」を構想した。

しかし、当時の米国男子ツアーのティム・フィンチェム会長はこれに反対、「新ツアーに行く選手は米国男子ツアーから追放する」とした。新リーグ構想は立ち消えたが、その後1996年にフィンチェム氏は「WGC-世界選手権シリーズ」を発表した。これは今も続くWGCシリーズだ。「少ない選手で世界のトップランカーを集めた高額賞金大会」というのはまさにノーマンが提唱したものだったからノーマンは激怒、「無断でコンセプトを模倣された」としフィンチェム氏を罵倒したと言われている。

20年3月にはパンデミックで世界のゴルフツアーがストップ、新リーグ構想も立ち消えたのかと思われていたが、どうやらコロナ禍ノーマンは着々と進めていたよう。ノーマンはプレミア・ゴルフ・リーグとは別「スーパー・ゴルフ・リーグ」の新リーグ構想を目指し、21年10月に“リブゴルフ・インベストメント”(LIV Golf Investments)を設立、ノーマンがCEOに就任した。

同社はサウジアラビア政府系投資ファウンド、パブリック・インベストメントが過半数の株を所有する。彼らはアジアンツアーに2億ドル(約226億円)以上を投資、22年から10イベントシリーズとして中東などの世界で大会を開催することになり、こちらはすでに開始されている。そしてノーマンが筆頭となりチーム戦で世界のトップ48選手を集めて年間14〜15試合、チーム戦と個人戦を戦う「スーパー・ゴルフ・リーグ」は早ければ2023年開始を目指し巨額のマネーが提示されたという。そして今、日々めまぐるしく選手たちがコメントを発し始めた…。(文・武川玲子=米国在住)

<ゴルフ情報ALBA.Net>