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アイアンは「大きい=やさしい」とは限らない!? 【ギア豆知識】

アイアンに限らず、ゴルフクラブを見る際、ヘッドの大きさを「やさしさの指標」だと考えるゴルファーは非常に多い。「このヘッドは小さいから難しそう」、「大きいヘッドはやっぱり安心感がある」といった感想を口にしたことはないだろうか?

たしかに、ヘッドが大きければ、それだけフェースも大きくなるし、ボールに当たる確率は高くなるだろう。しかし、イコールやさしいとは限らない。ボールに当たったとしても、真っすぐ飛ぶかどうかは別問題だからだ。

たとえば、アイアンをライ角通りにセットし、シャフトの延長線と地面の接点からトゥの頂点までの長さである「フェース長」を例に考えてみよう。

プロや上級者が好むマッスルバックやキャビティアイアンのフェース長は73〜76ミリのものが多い。ちょうどiPhoneなどスマートフォンのヨコ幅(短いほうの幅)くらいの大きさになる。一方、飛び系を始めとするアベレージゴルファーに向けたアイアンは80ミリを超えるモデルがほとんどだ。

このフェース長は、構えた時の印象だけでなく、フェースの「戻しやすさ」にも大きく影響する。つまり、フェース長が大きくなるほど、シャフト軸から重心が遠くなり、フェースが開いて当たりやすくなるのだ。

そう考えると、大型アイアンはボールに当たりやすいかもしれないが、フェースを真っすぐ戻すという意味では小ぶりなものよりも難しい可能性が出てくる。実際、ドライバーが大型化したときも同じ理由から、ボールをつかまえられずに右プッシュを連発するゴルファーが増えてしまった。

以前、ゴルフ雑誌ALBAの企画でフェース長の違うアイアンを打ち比べてもらったことがある。このとき、同じテスターが打ったにも関わらず、フェース長の違いによって「スイング軌道」や「ヘッドスピード」が変化することが分かった。

フェース長の長いアイアンはアウトサイド・インの軌道になりやすく、それをアジャストしようとヘッドスピードが自然に落ちる傾向も見られた。一方でもっともバランスよく振れたのはキャビティに多いフェース長76ミリのアイアンで、自然なイン・トゥ・イン軌道で方向性も安定していた。さらに、73ミリのアイアンはさらにつかまりが増し、その影響か、ヘッドスピードがもっとも速くなるという結果が出た。

このように、アイアンは大きいからやさしいとは限らないし、小さいから難しいとも限らない。それぞれにメリット・デメリットがあるので、100切りゴルファーであっても、コンパクトなキャビティが合う可能性も十分にある。

こういった傾向は数年前までのアイアンでは顕著に見られるので、中古クラブなどを探す際には注意してほしい。一方、最新モデルについては少し話が変わってくるので最後に補足しておこう。

ここまで述べてきたアイアンを大型化するデメリットは、メーカーも課題にしていたようで、ヤマハ『RMX VD40』やダンロップ『XXIO 12』といったモデルでは、うまい具合に解消されてきている。複数の素材を複合し、設計を工夫することで、ヘッドを大型しつつも、フェースが真っすぐ戻りやすいアイアンに仕上がっているのだ。

こういった点を踏まえると、やはりアイアンを選ぶ際も、可能な限り試打するべきだと言えるだろう。可能なら、定番の7番アイアンの他に、5番と9番も試打するなど、番手別の飛びや方向性をチェックしておくと最適なモデルが選びやすくなるはずだ。(文・田辺直喜)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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