2021年3月まで日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の理事を務め、いまは女子ゴルフ界発展のため尽力し、自身のゴルフ向上も目指す、女子プロゴルファーの原田香里。まだまだこれからと話すゴルフ人生、そして女子ゴルフ界についての未来を語る。
ゴルフを愛する皆さま、こんにちは。あちこちから雪の便りが届きますが、少しずつ春の気配も近づいてきています。みなさん、ゴルフしていますか。原田香里です。
今日はエイジシュートについてお話ししたいと思います。ご存じの方も多いと思うのですが、ゴルフでは、スコアが自分の年齢以下になることをそう言います。わかりやすい例を挙げると、72歳の方がパープレー(72)以下のスコアで回ればエイジシュート達成、ということになります。
まぁ、こんな方はそう多くはありませんが。私も出場した昨年のレジェンズツアー『太陽生命 元気・長生きカップ』では、大先輩の岡田美智子プロが達成されています。76歳でスコアは74。プライベートではこれまで6回あるそうですが、試合では初めて。女子はレジェンズ(シニア)の試合が多くないので、JLPGA史上初の試合での記録でした。
シニアツアーに歴史があり、試合数も多い男子では、時折、エイジシュートのニュースを聞くこともありますね。尾崎将司さんが70歳の時、シニアではなくレギュラーツアーでエイジシュートをしたというニュースには、本当に驚いたことを覚えています。若いうちはより少ないスコアで回らなければならないので難しいことになります。一定以上の年齢になってゴルフを続けている方には、目標になることも少なくありません。
実は、先日も知人の方から朗報が届きました。若い頃からお世話になっているXさん(女性)が、「85」でプレーされたのです。85歳以上なのでエイジシュート達成。なんと3回目のエイジシュートというすごい方です。それまでの2回は、70と75で達成しているそうです。何度もプレーをご一緒させていただいたことがあるのですが、クラブに対する興味も旺盛で、自分に合うドライバーを探したり、積極的に行動しています。
年齢とともに飛距離が落ちるのは男性でも女性でも仕方がありません。その中で、自分の飛距離をしっかりと把握してプレーするのはなかなか難しいことなのですが、彼女はそれがしっかりとできています。納得のいくスコアでプレーできるように準備することに貪欲な気持ちを持っているのです。
プレーでのポイントは、自分に合った距離のティイングエリアを選びコンスタントにパーオンしていって、できるだけボギーを叩かないようにすること。これに尽きます。Xさんを見ていると、これをしっかり実践していることがよくわかります。
日本では赤いティマークをレディースティと呼んだり、ゴールドやシルバーのティマークをシニアティと呼んだりして、性別や年齢で区別したがる傾向にありますが、本来、ゴルフは老若男女が一緒に楽しめるゲームです。自分の飛距離に合ったティイングエリアをプレーヤー自身が自分で選んでプレーすればいいのです。
男性でも、飛距離が出ない人や年齢を重ねた人は、無理せず前のティから打てばいい。また、飛距離が落ちてきたらその中でスコアの目標設定を少しずつ変化させたりしていけばいいのです。自分で自分のゴルフが分かっている人は、こうして楽しむ術をご存じです。
前出の女性からエイジシュートのお知らせの電話をいただいた時には、びっくりしましたが、心から尊敬しています。私も、こんな風に年齢を重ねてゴルフを楽しみ続けることができたらいいなぁ、と思います。
もっとも、55歳の私には、エイジシュートはまだ現実的ではありません。現役時代のベストスコアでさえ「64」ですからね(笑)。しかも、JLPGAの理事だった10年間は、仕事も含めて平均すると年間6ラウンドくらいしかできていません。昨年、理事を退任してから、ようやくゴルフがお好きなみなさんと同じくらいの頻度でラウンドできるようになったばかりですからね。
ゴルファーにとっての一つの目標がエイジシュートだというのはよくわかります。でも、ぼんやりと思うのは85〜86歳になったくらいでできるかなぁ、ということくらい。でも、まだ全然想像できない、というのが正直なところです。そもそも、エイジシュートを達成するには、健康でゴルフができる体でいることが大前提です。30年後くらいに自分がゴルフをしているのか、も含めて想像できません(笑)。
理事退任後、レジェンズツアーや日本女子プロゴルフ選手権に出場しました。今年はもっと準備をして試合でプレーしようと考えてはいます。ただ、年齢とともに身体的に衰えていくのは自然な流れ。その中で、ゴルフが下手になっていってしまうと、イヤになってしまうのではないか、という恐れも持っています。エイジシュートが狙える年齢になるまで、ゴルフに対する気力が続くかどうか…。
ただ、先ほどもお話ししたように、ゴルフの楽しみ方は人それぞれ。私もアマチュア時代、プロとして毎週試合に出ていた頃、そして今、と、また違うスタンスでプレーしています。それがこの先、どんなふうに変わっていくかも楽しみながら、できるだけ長くクラブを握れたら、と思います。
みなさんも年齢や体調に合わせた楽しみ方でできるだけ長くゴルフを続けられたらいいですね。その先にエイジシュートがあれば、ゴルファー冥利に尽きるというものです。心身共に健康でいること。まずはそこからでしょうか。
原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。11歳からゴルフを始めると、名門・日大ゴルフ部に進み腕を磨いた。89年のプロテストに合格しプロ転向。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。98年には賞金ランキングでも2位に入るなど通算7勝の活躍。一線を離れてからは日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力。今年の3月まで理事を務めていた。
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