ゴルフメーカーのアマチュア担当の中でも優れた“目利き”は、サポートする人数が自ずと多くなるボールも扱うブリヂストンやダンロップといったクラブメーカーに多いらしい。そんな経験豊富なブリヂストンスポーツのアマチュア担当者に、アマチュアのサポート時代には「ここまでの選手になるとは思わなかった」という嬉しい誤算となったプロはいないかと聞くと、思わぬ名前が挙がった。
まずは、アマチュアゴルファーの将来性を見極めることがいかに難しいかを、男女の比較なども交えて聞いてみよう。
「まず、男子は大学に行ってからQTを受けて、そこからプロ入りするというパターンの選手が多いんですけれど、男子ツアーはベテランや海外選手等、実力者が多く、力が拮抗しているので、プロデビューしてすぐに活躍できる選手は本当に少ないです。最近の金谷拓実プロとか中島啓太選手を見ると、男子の大学生のレベルが上がってきていると思いますけれど、彼らや石川遼プロや松山(英樹)プロなどはレアケースだと思っていいでしょう。あと、男子は日本アマを獲った選手はなかなか活躍できないというジンクスもあって、だから将来性の見極めは難しいですね」(アマチュア担当:以下同)
一方、女子の場合は将来性の見極めが比較的しやすいという。
「女子は中学生くらいで体格が出来上がってきて男子に比べて早熟だから、多くが高卒後にプロ入りをします。だから中・高生での成績がそのままプロでも反映されることが多いですね。『これは活躍しそうだな』と思った選手は、だいたいプロ転向後にすぐに活躍するケースが多いと思います」
では、アマチュア時代にサポートをしてきたなかで、プロ入り後に思わぬ飛躍を遂げた選手はいただろうか。
「堀川未来夢プロは高校2年生のときに関東高等学校選手権で2位タイに入り、厚木北高校の先生の紹介もあって、日頃からブリヂストンのクラブを使ってくれているようなので、こちらからサポートをしますということになったんです」
アマチュア担当の目からして、当時の堀川の将来性はどの程度のものだったのだろう。
「もちろん当時から上手かったんですけれど、でも飛距離はそこまで出るタイプではなく、どちらかというとステディなタイプの選手でしたね。2012、13年と国体で2連勝していますけど、日本アマや日本学生のタイトルには届かず。本人も大学4年生の秋までプロになるつもりはなかったと言っていましたので、正直ここまでの活躍は、当時は想像していませんでした」
彼が見てきたなかで、女子で“大化け”したと思うのは、原英莉花(ブリヂストンスポーツとはボール契約)だという。
「ジュニア時代の原英莉花プロは、優勝は『神奈川県ジュニアゴルフ選手権』(16年)で、関東や日本タイトルでの優勝はありませんでした。しかし、高身長とダイナミックなスイングで、試合会場での存在感はすでに光るものがありました。当時は他社のボールを使っていましたが、当社のボールを試してもらったところ気に入ってくれて、高校生のときにブリヂストンのボールを使うようになりました。当時から期待はしていましたが、今の活躍は想像以上です」
■堀川未来夢 ツアー通算2勝 うち国内メジャー1勝(19年日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills)
■原英莉花 ツアー通算4勝 うち国内メジャー2勝(20年日本女子オープン、20年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)
アマチュア担当の期待と想像を超える実力がプロで花開いたのである。(取材・文 / 古屋雅章)
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