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スポンサー解禁でアマゴルフのレベルは上がる だが、何よりも大切なのは親たちのモラル

いよいよ2月4日に2022年北京五輪が開幕する。冬季五輪の種目では選手たちがスポンサー企業のワッペンをユニフォームにつけている姿がよく見られる。企業の応援で遠征費を捻出したり、練習環境を整備したりしてきているのだ。

ゴルフにおいては、これまでアマチュア選手のスポンサー収入は認められていなかった。しかし今年1月からアマチュアもスポンサー収入を得られるようになり、世界ジュニア4勝の須藤弥勒のスポンサー候補に清涼飲料水の製造販売をするサーフビバレッジが名乗りを挙げているという報道が話題になった。スポンサーがついて練習や用品、そして試合の遠征費などに不安がなくなるのはよいことではあるだろう。だが、スポンサー解禁はアマチュアゴルフにとって、果たして好事なのだろうか? そこに不公平感はないのだろうか?

1993年に坂田塾を開塾し、塾出身者96人、直接指導した者15人、合わせて111人のプロゴルファーを育てた坂田信弘に話を聞いた。

「アマチュアのレベルは上がる。経済的にゴルフをやめるという選手は塾の実力者の中にはいた。塾生だってゴルフがうまくなれば、家庭の負担は増えていった」

坂田塾は財界人らの協力を得、坂田自身も私財を投じて運営してきた。選手たちは練習も用品も、合宿でさえ無料で参加できた。だが、選手が強くなればなるほど、塾だけではまかなえない費用が出てきて、各家庭の負担は増えていったという。

「ある意味、ゴルフは世界的に特権階級のスポーツだった。それが変わってきている。特権階級は今の時代に合わなくなってきたのだろう。(今回のアマチュアのスポンサー解禁が)いいとか悪いという思いはない。時代の流れだと思う。全英オープンも最初はキャディのゴルフの腕前を競わせる試合だった。貴族たちがそれに金を賭けた。羊飼いが遊びで始めたゴルフに金が絡み、特権階級の地位と名誉、好奇心が絡んでいったんだ」

ゴルフは金持ちのスポーツだった。貧しい家庭の子はキャディをやってゴルフに関わり,プロゴルファーを目指した。そんな特権階級のゴルフは、もう時代に合わなくなった。

「これから先は選手の親たちのモラルが大切になる。我が子だけ、金だけを見て、企業に忖度する親も出てくるだろう。それは周囲の不快を呼ぶ。人の世の寛大さ、個人の寛大さが必要になってくるだろう」

上と下のレベルは開くことになるだろうが、スポンサー解禁によってトップ選手たちのレベルを上がる。成長のための選択肢を増やす好事であるのは間違いない。だがアマチュア精神も変わってゆく。子は親を見て育つ。クラブを初めて握る子どもは、親のスイングを見てマネをすることからゴルフを始めるという。だからこそ、親世代のモラルが注視される。

2021年日本アマチュア選手権を制した中島啓太は、同年パナソニックオープンでツアー史上5人目のアマチュア優勝を遂げ、アジアパシフィックアマチュア選手権では松山英樹、金谷拓実に次ぐ日本勢覇者となった。女子でも梶谷翼がオーガスタナショナル女子アマチュア選手権で優勝するなど、日本のアマチュアゴルフ界は明るいニュースで盛り上がった。アマチュアのスポンサー解禁によって、彼ら彼女らの今後の活動がより広がる野は間違いないところ。2022年もビッグな明るいニュースに期待したい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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