国内男子ツアー通算94勝、賞金王12回、国内メジャー20勝、プロ通算113勝――。前人未踏の記録を打ち立て、世界ゴルフ殿堂入りしている尾崎将司がきょう24日に75歳となった。
ツアー25勝以上の選手に与えられる『永久シード』の資格を持ち、近年は思い入れのある試合を選び、ファンに姿を見せていたが、2020年に出場を予定していた大会が新型コロナウイルスの影響で中止に。「コロナで、やろうとする気持ちがどんどんどんどんなくなっている」と、現役続行へのモチベーションが低下。19年に途中棄権した「ダンロップフェニックス」を最後に試合には出場していない。
徳島海南高校では、エースとして春の選抜高校野球大会を制した甲子園優勝投手。翌年には、プロ野球の西鉄ライオンズに投手として入団。しかし、実働3年で野球に見切りをつけ、プロゴルファーに転身。21歳でゴルフをはじめ、23歳でプロテストに合格。プロデビュー2年目の1971年の「日本プロ」で初優勝を挙げ、ツアー制度がはじまった73年には5勝をマークし初代賞金王となった。
12回の賞金王は、2度目の全盛期を迎えた40代での活躍抜きには語れない。41歳となった1988年に77年以来となる4度目の賞金王に輝くと、11シーズンで9度の賞金王に。94年から98年までは5年連続賞金王という快挙も成し遂げている。また、ツアー制度が施行される前にも15勝を挙げ、年間トップの賞金を稼いでいる。プロ通算「113勝」という金字塔は、この15勝と73年以降のツアー外競技で挙げた4勝を加えたものとなる。
ゴルフ界を席巻した青木功、尾崎、中嶋常幸の『AON』。50歳を過ぎても、シニアツアーへと参戦する青木、中嶋とは対象的にレギュラーツアーにこだわり、シニアの大会には一度も出場していない。
2002年の「全日空オープン」では、ツアー制度施行後、最年長となる55歳で優勝。66歳で出場した13年の「つるやオープン」では、初日に1イーグル、9バーディ、2ボギーの「62」でマークし、コースレコードタイでレギュラーツアー初のエージシュート(自分の年齢以下のストロークで18ホール回る)を達成。17年の「HONMA TOURWORLD CUP」の2日目に「70」をマークし、2度目の快挙を打ち立てた。
近年は『ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー』を発足させ、ジュニア育成に力を注いでいる。「若い子が一生懸命練習している姿が一番好き。ちょっと緩んだりしたらカミナリを落とすこともある。そういうことも非常に楽しみな1つ」。ジャンボ邸の練習場に通う原英莉花、笹生優花、西郷真央らがツアーで活躍。ゴルフ界を盛り立てる、新しい力を育てている。
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