このエントリーをはてなブックマークに追加

“新”アマチュア資格規則はプラスのみ? 『スポンサー契約』の盲点と『大学奨学金制度への影響』

アマチュアの中島啓太(日体大3年)が年明け早々にエクセル・スポーツ・マネジメント社と契約したように、トップアマの争奪戦は過熱を帯びそうな気配が漂う。ただ、企業とのスポンサー契約を含め、すぐに飛びつくのは危険行為という意見もあるだけに、アマチュアには契約の際、慎重な姿勢が望まれる。

________________

(本文)

ライターY 「アマチュアが企業とスポンサー契約を結ぶことが認められたからといって、皆が皆、契約できるとは限らないと思うけど……」

記者S 「確かにそうですね。企業にとっても予算があるでしょうし、思うように活躍しなかったなどのリスクも伴いますからね。大きな契約を結べるのはごく一部のプレーヤーに限られるかもしれません。同時に、アマチュア側にも慎重な姿勢が求められます」

ライターY 「と言うと?」

記者S 「企業が単に金銭だけをサポートしてくれるとは考えにくいからです。プロと同様に契約先のクラブ使用やウエア着用から始まり、年に数回の拘束日を設けるなど、様々な制約も生まれるでしょう。契約前のような自由がなくなることは十分考えられます」

新規則の施行を前に、日本ゴルフ協会(JGA)では、学生ゴルファー約100名に対して契約などについての説明会を行っている。契約条項を徹底して確認し、内容を把握すること、両親や弁護士などに立ち会ってもらうことなどのアドバイスを送った。

ライターY 「必ずしも善意の企業ばかりが寄ってくるとは限らないからね。契約に関しては慎重すぎるぐらいに行うことが賢明だろう」

記者S 「さらに、大学の奨学金制度にも影響が出ることも予想されます。これまでは成績優秀なジュニアゴルファーにしてみれば、奨学金を支給されるだけでなく、練習環境のいい大学は魅力的でしたが、同じことを企業が行ったらどうでしょう。例えば、地元のゴルフ場が年間いくら出しますよ。毎日練習してください、寮も用意しますよと」

ライターY 「大学によっては奨学金受給者に対してリーグ戦の出場義務を課したり、在学中にプロに転向することを認めていなかったりすることもある。早い時期にプロ転向を目指す選手や地元から離れたくない選手なら検討する余地は十分ありそうだね」

記者S 「特に、女子の場合は若年化が進んでいるだけに、高3でプロテストに失敗した選手にとっては、企業との契約は助かるでしょうね。もちろん、大学の方が試合数は多いなどのメリットもあります。どちらいいとは言い切れませんが、選択肢が一つ増えたことは確かでしょう」

<ゴルフ情報ALBA.Net>