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“新”アマチュア資格規則でスポンサー契約が可能に! プロとアマとの境界線とは

今年のソニー・オープン・イン・ハワイに出場し、41位でフィニッシュしたアマチュアの中島啓太(日体大3年)。1月12日にはエクセル・スポーツ・マネジメント社との契約も発表したが、今年の1月1日から施行された新しいアマチュア資格規則の恩恵を早速受けた形となった。新しい規則の主な変更点がどのようにアマチュアゴルファーに影響していくのかを本誌記者SとライターYが探ってみた。

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記者S 「今回の規則改正で最も大きく変わった点は、アマチュアが企業とスポンサー契約を結んで金銭を受け取ることができるようになったことです。そこにはテレビCMに出たり、広告活動ができることも含まれます。しかも、契約金の金額には上限がありません」

ライターY 「海外遠征が多いトップアマにとってはありがたいルールだし、これまでは遠征費などを捻出できず、活躍する場を制限されていたアマチュアにもチャンスが増えるということだよね」

記者S 「日本ゴルフ協会(JGA)によれば、この問題は何年も前からの懸案事項であり、JGAだけでなく、全米ゴルフ協会(USGA)など各国のゴルフ団体でもよく議題に上がっていたそうです」

ゴルフ先進国ではアマチュアのレベルアップと若年化の傾向があり、若いアマチュアがプロツアーで勝つことも増えてきた。同時にアマチュアをサポートしたい企業も出てきたが、従来の規則ではそれを認めていなかった。ただ、ゴルフ界の発展を考えた場合、果たしてそのことが正しいのか、むしろ足かせになっているんじゃないかという議論が戦わされてきた。

さらに宣伝広告、紙面にアマチュアの肖像を使ってはいけないという規則は、今の情報化社会で果たしてコントロールできるのかと問題になった。動画配信やSNSなどで個人が発信でき、そこに広告が付随してくる。例えば有名なアマチュアがSNSを開設し、広告収入を得た場合はどうするのかと。それならば、最初から資金的援助を認めたほうがゴルフ界は発展するだろうということで、スポンサー契約が容認されたわけだ。

記者S 「ようやくゴルフ界も時代に即したルールになったということです。さらに、学生に対して宣伝広告のために紙面で肖像を利用してはいけないという規則があった全米大学体育協会(NCAA)が、規制緩和をしたことも少なからず影響しているようです」

ライターY 「アマチュアがスポンサーと契約できるようになると、プロとアマの境界線がどこにあるのか分からない時代になってきた感じだね」

記者S 「だからこそプロのトーナメントでは原則的にアマチュアへの賞金を設定していませんし、仮に認められた場合でもアマチュアが受け取れる額が10万円以下になっているわけです。あくまでも試合で賞金を手にできるのはプロですよと。アマチュアが10万円以上の賞金を受け取るとアマチュア資格を失いますよと」

ライターY 「試合での賞金を受け取ることができるか、できないか、そこがプロとアマとの境界線になるというわけだね。次回はスポンサー契約についてもう少し深堀してみよう」

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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