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【プロキャディの知恵】朝の練習グリーンでは10mのロングパットから打とう

1月上旬に千葉国際カントリークラブ(PGM)で開催されたプロキャディによるジュニアレッスン会「ゴルフ脳強化キャンプ」。ラウンド前の朝の練習グリーンで何をすべきか、小山内護や谷原秀人、Y・E・ヤン(韓国)などのバッグを担いできたプロキャディ歴16年の串田雅美氏が、小中学生たちに教えたこととは?

串田氏はまず「パターで一番大事なことは?」と問いかける。すると、「ロングパットから3パットしない」、「ストレスなく寄せる」、「ピンチのときに決めきる」、「距離感」と中高生たちが口々に答えていく。全員の意見を聞き終わると、「みんな正解!」と串田氏は笑う。

すべては『3パットしないこと』に集約される。300ヤードのドライバーショットも50センチのパットも同じ1打。「プロの試合でもスコアを一番縮めるのはパターなんです。優勝争いしていて、バーディパットをがっついて、強く打ち過ぎちゃって、返しを外す3パットはすごくもったいない1ストロークになる。パット・イズ・マネー」と串田氏はやさしく語りかける。

そこで串田氏が勧めた練習は、ボール2個で10メートル以上の距離から寄せること。練習グリーンに来たらまず、ロングパットの距離感をつかむことから始める。同じラインからずっと打つのではなく、ポンポンと2球打ったら、別の10メートルから転がすのを10〜15分間繰り返すのだ。

「谷さん(谷原秀人)のキャディをやっていたとき、平均パットが3年連続1位だった(2012〜14年)。谷さんは絶対に3パットはしないっていう理論。ロングパットのタッチが合っていれば、ショートパットも入るんですよ」(串田氏)

現在、谷原のキャディを務める谷口拓也に確認したところ、「最近はゲートを通す練習器具から始めますが、そのあとは15メートルくらいの距離を打っている。ショートパットの練習はあまりしないですね」という。

串田氏の話に戻る。普通ボールは1スリーブの箱で3個入っている。だから朝の練習グリーンでは3個を使うゴルファーが多い。ボール2個の意味とは? 「3球打ったら距離を調整できちゃうんです。本番は一発勝負。でも朝の練習で1球だけだとシビアだから2球がちょうどいい。1球打って次の2球目で感覚をつかみたい」と串田氏は話す。さらに、「ロングパットで同じところから3球打つと練習のための練習になっちゃう。本番を想定した練習にしたい」ともいう。

また、串田氏は10メートルからOKに寄せる必要はないと小中学生たちに教える。「ロングパットは半径2メートルの円の中に入れればいい。半径2メートルの範囲ってけっこう大きい。10センチのカップだけに集中すると、緊張するし難しく感じるけど、大きな円をイメージすれば、そんなに難しくないと思う。結果としてリラックスして打てるからOKに寄ることもある。プロのコースマネジメントでは難しいことは一切しない。いかに簡単にしていくかを僕らが手助けしている」と説く。

10メートルが半径2メートルの円のなかに入るようになったら、次に2歩の距離のショートパットを行う。実際のコースを想定して、ロングパットから2打で入れる練習だ。「ロングパットのあとに、ミドルパットを打つことはほとんどないと思う。2メートル以内のショートパットが残るはず」(串田氏)。練習グリーンにカップが切ってあれば入れる、スタンドタイプのピンであれば当てることで、本番でもショートパットがしっかり打てるようになる。

それが終わったら今度は4歩の距離。「アプローチで寄せきれないときは、これくらいの距離が残る。パーパットやボギーパットを想定しています。これくらいをスタート前にやっていれば十分」と串田氏は語る。ここまで短い距離はやっていないが、最後に1メートルの短い距離を打つプロもいる。

「平塚哲二さんは最後に1メートルをカップに入れて、『よし!行こう』と自信を持ってコースに出ていった。自分のなかで流れを作りやすいのであれば、それもいいと思う」

今回のジュニアレッスン会はプロ志望の小中学生が多く参加した。「プロになりたい意志があるなら、ただ単に練習するのではなく、目的やストーリーを持ってやってほしい。僕が教えたのは一つの提案で、自分でアレンジしてもいい」と串田氏は未来のプロゴルファーたちにメッセージを送った。

朝の練習場で、いきなりドライバーから打つ人はあまりいない。ショットでは短い距離から打っていくが、パットでは長い距離から打つというプロキャディの知恵。一般ゴルファーだって、パッティングがスコアアップの一番の近道なのは間違いない。それにはまず、余裕を持ってコースに着いて、練習グリーンでの時間を確保したいところだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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