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リランキング、シード付与などがメルセデス・ランキングに一本化 賞金女王への複数年シードは廃止

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が24日(金)に会見を開き、来年からシードやリランキングなどこれまで賞金ランキングで行っていたものを、すべてメルセデス・ランキングに一本化することを発表した。

メルセデス・ランキングは2012年に「年間を通じての総合的な活躍度を評価するランキング」として制定され、賞金額に関わらず大会日数や公式戦などに応じたポイントによって順位づけされる。賞金額とは異なり、こちらは海外メジャーでの順位もポイントとして付与されるもので、15年からは1位の選手に3年の複数年シードも与えられている。

19年までシードはすべて賞金ランキング50位以内の選手に付与されてきたが、今季は“移行期間”として賞金ランキングとメルセデス・ランキングいずれかで50位以内に入った選手が来季の出場権を獲得。また両ランキングの51位〜55位までの選手には前半戦出場権を付与したが、これが22年度からメルセデス・ランキングのみになる。

メルセデス・ランキングに一本化した経緯としてJLPGAは3つの理由を挙げる。

・選手のモチベーションアップ

・トーナメントの活性化

・海外メジャーへの参戦奨励などのツアー強化

加えて担当者は「賞金額が大会ごとに差があり、試合ごとの格差があることも選手の方から意見をもらった」と説明した。

これにより前述のシード、前半戦出場権に加えて、リランキング、日本で行われる米ツアー「TOTOジャパンクラシック」、3ツアー対抗戦「3Tours」の出場権、またこれまでは賞金ランキング56位〜70位の選手に付与されていたファーストQT免除(ファイナルから出場)の資格もメルセデス・ランキングが対象になる。

また賞金女王に付与されていた3年の複数年シードも廃止。来季からはメルセデス・ランキング1位に4年の複数年シード(同シーズンに公式戦優勝なら5年)が付与されることとなった。

この改定に併せてメルセデス・ランキングの対象者も見直される。海外メジャーのポイントが加算される選手はこれまで指定競技(21年は日本女子オープン)までに3試合に出場している「シード選手」、「前半戦出場権保持者」、「前年度QT出場者」、「特別保証制度・産休制度復帰者」が対象だったが、出場試合数条件は廃止に。対象者の条件は変わらず22年度の出場権がある選手となる。

何人かの選手を例にとってみてみると、インビー・パーク(韓国)やフォン・シャンシャン(中国)といった選手は日本のツアーメンバーではあるものの、22年度の出場権がないため対象外。畑岡奈紗は現在日本ツアーのシードはない。ただし、19年に公式戦で2勝しているためいつでも行使可能な5年シードを保持。こちらを行使すればメルセデス・ランキングの対象者となる。

来季から米ツアーに参戦する古江彩佳、渋野日向子は22年度の出場資格をそれぞれ保持しているためランキングの対象者に。ただし、2人とも出場義務試合数(出場権が限られる試合を除いた総試合数の60%。協会が定める海外主要トーナメントも試合数に含む)を達成しなければシードを得ることはできないが、同ランキングで1位となれば4年の複数年シードが獲得可能となる。ただし、米ツアーのみに出場した場合は数字的にかなり厳しいものと思われる。

これまでの賞金ランキングと違うのは、大会ごとの賞金格差が無くなり、海外メジャーのポイントもシードに関わってくる。何より出場する(予選通過する)試合数が重要になってくるということ。来季から選手のスケジュールにも大きくかかわってきそうだ。

【過去のメルセデス・ランキング1位】※カッコ内は同年の賞金女王

2020-21年度:古江彩佳(稲見萌寧)

2019年度:渋野日向子(鈴木愛)

2018年度:申ジエ(アン・ソンジュ)

2017年度:鈴木愛(鈴木愛)

2016年度:イ・ボミ(イ・ボミ)

2015年度:イ・ボミ(イ・ボミ)

2014年度:アン・ソンジュ(アン・ソンジュ)

2013年度:横峯さくら(森田理香子)

2012年度:全美貞(全美貞)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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