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三ヶ島かなが史上2人目となる最終戦で初V! 古江彩佳に“あの日”のリベンジ

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇28日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>

生まれ育った九州で大粒の涙を流した。単独首位から出た福岡県出身の三ヶ島かながトータル11アンダーまで伸ばし、メジャーの舞台でツアー初優勝。1996年の井上陽子以来、そして03年に宮崎カントリークラブに移ってからは初めてとなる最終戦での初優勝を果たした。

「目の前に出された課題を取り組んでいくだけ」を考えて1番ティに立った三ヶ島。「すごく緊張していた」というなか、グリーン左のカラーから8メートルの距離をパターで沈めてチップインバーディ。「ここから突き放してやるぞ、と思えた」と良い流れを作ると、その後もシビアなパーパットを何度も沈めて、前半で1つ伸ばして折り返す。

だが、ピンチはサンデーバックナインにやってくる。10番をバーディとしたが、11番でティショットを曲げると寄らず入らずのボギー。13番パー5でもスコアを伸ばせず、最終組でともに回る古江彩佳に2打差まで詰め寄られてしまう。

だが、14番で2.5メートルのパーパットをなんとか沈めると、古江が50センチを外してボギー。15番ではティショットを曲げると、2打目はバンカーのアゴに突き刺さった。最大のピンチを迎えたが、何とか手前ラフまで出すと寄せて“ナイスボギー”。薄氷を踏みながらも、後続に影は踏ませない。

2位に浮上した小祝さくらと2打差となるが、16番で右ラフからチップインバーディ。何度も右こぶしを握り締めるバウンスバックで再び笑顔になると、17番で2打目を3メートルにつけて連続バーディを奪取した。4打差で最終ホールを迎えると、2打目を右手前に外したがしっかりと寄せてパーをセーブ。キャップのツバを触って歓声に応えたときこそ変わらぬ顔をしていたが、待っていた大里桃子、野澤真央に抱き寄せられると一気に涙があふれ出た。

ひたすらに攻め続けた18ホールだった。これまで何度も逃してきた優勝。中盤のピンチが続いた場面で茶店(休憩所)に入ったとき、自分の手を見ると震えているのが分かった。「まだまだできるぞ」と自分にもう一度気合いを入れた。

最大のピンチだった15番。2打目がバンカーの目玉となったとき、キャディからは「アンプレするか全力で振るか」と2つを提案された。答えは1つだった。「行くでしょ」。気持ち良く振り抜いて、最小限の被害に食い止めた。その後も難ホールが続いたが「びくびくしちゃだめだ」と常に顔を上げ続けて、勝利をもぎ取った。

ここまでの道のりは長かった。何度も優勝争いを演じては敗れてきた。17年の「アース・モンダミンカップ」では、最終ホールで11メートルのバーディパットを決めて追いつきながらも、鈴木愛に6メートルを入れ返されて敗れた。先週も最終日に2位タイから出ながらも、痛めた左の鎖骨の影響で「パーを獲るのがやっと」と勝負にならなくなっていた。惜敗が続くたびに「スポンサーさんがついてくださっているのに、続けていていいのかな」という気持ちにさいなまれた。

それの最たる例が、古江にアマチュア優勝を許した2年前の「富士通レディース」だった。「何やっているんだろうと」。今でこそ「言われなければあまり(思い出さない)」という程度には落ち着いているが、やはりプロの壁となれなかったことは「申し訳ない」と引っかかっていた。今回2人1組で回ったのは、その古江。リベンジを決められたこともうれしい。

メジャーで初優勝を挙げた選手は鈴木愛、畑岡奈紗、渋野日向子らそうそうたるメンバーが並ぶ。特に初優勝を阻まれた鈴木には思い入れが強い。「私も愛さんみたいにもっともっと勝って、みんなを沸かせたい」。悲願の初優勝は安どよりも気が引き締まる思いだ。「何勝もしたいという気持ちは変わらない」。もがいてもがいてようやく咲いた一輪の花は、赤く彩られたコースでどの花よりもきれいに輝いていた。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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